m-ジヒドロキシベンゼンにあたる。レゾルシノールresorsinolともいう。融点111℃,沸点281℃の白色結晶。1864年セリ科植物のアルカリ融解で初めて得られた。ブラジルスオウの乾留でも得ることができる。現在はm-ベンゼンスルホン酸を水酸化ナトリウムと融解したのち,塩酸で加水分解して工業的に合成されている。わずかな甘味があり,空気,光にさらすか鉄分に触れるとピンク色になる。水,アルコール,エーテル,グリセリンによく溶け,クロロホルム,二硫化炭素には溶けにくい。レゾルシンの水溶液はpH5.2で,青色リトマス試験紙をわずかに赤変させる。アルカリ水溶液は酸素をよく吸収する。アンモニア性硝酸銀を熱時還元して銀鏡を生じ,塩化鉄(Ⅱ)により暗紫色となる。2,4位は求電子試剤との反応に高い活性を示し容易にアシル化されるほか,炭酸塩水溶液と100℃に加熱するだけでカルボキシル化される。フェノールに比べ局所作用,毒性は弱いが殺菌力は強く,防腐剤,鎮痒(ちんよう)剤,防カビ剤として用いられる。エオシン,フルオレセインなどの色素,合成樹脂,香料,医薬品の原料となる。カプロン酸と反応させたのち還元して得られる4-n-ヘキシルレゾルシンは合成駆虫剤である。分析試薬としても有用で,各種金属イオンの呈色反応(たとえば亜鉛Znは青色,銅Cuは深青色,白金Ptは赤色など),ウラン,コバルトの比色定量,亜硝酸イオン,硝酸イオンの検出定量などに用いられる。
執筆者:岡崎 廉治
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