デジタル大辞泉の解説
ロースト(roast)
1 食肉などをあぶり焼きや蒸し焼きにすること。また、その料理。「
2 豆類をいること。「
翻訳|roast
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出典 株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について 情報
鳥獣肉類を大きな塊のまま天板にのせ、天火で蒸し焼きにした料理。正餐(せいさん)の主要コースに供される。調理そのものは単純にみえるが、焼き方には技術を要し、肉をそのまま焼くので肉質を十分吟味することがたいせつである。作り方には、肉をそのまま天火で焼く方法と、固い肉などを厚手の鍋(なべ)に入れ、密閉した中で焼く方法がある。(1)ローストビーフ英国風 肉は上質のサーロイン、リブロースなどを1キログラムの塊で用意し、周りの筋(すじ)をとり、塩、こしょうを両手で肉にこすり込む。肉の状態をみて脂肪の少ないときは、牛脂の薄切りを上部に並べ、形がくずれないようにたこ糸で結ぶ。天板にラードを塗り、肉をのせて強火(235℃)の天火で20分くらい焼く。この間2回ほど天板に流れ出る脂を肉にかける。全体が黄金色になったところで温度を190℃くらいに下げ、肉の下に荒く切った野菜を入れて、さらに15分ほど焼く。そこへ温めたブイヨンをわきから天板に流し込み、そのまま10分焼いて火を止める。このときの加熱温度は150~160℃くらいがよい。焼けた肉は別器にとり、天板の野菜類や焼き汁をこそげとり、だし汁を加えてひと煮立ちさせて漉(こ)し、グレービーソースとする。(2)ポットロースト 牛肉(プレート肉または腹部の細長い形に切った肉)に塩、こしょうをして、たこ糸で周りを一巻きする。小麦粉を肉全体にまぶし、フライパンにラードを熱し、全面を黄金色に炒(いた)める。厚手の蓋(ふた)付き鍋(肉の大きさより1センチメートルくらい周囲にすきまのある大きさ)に肉をのせ、弱火で3時間~3時間半煮る。固い肉は3時間くらい煮ている間に結締組織が加水分解して、コラーゲンが粘着性になり膠(にかわ)状になる。肉の内部温度は99℃くらいで、肉質はフォークで楽に裂くことができるほど柔らかくなる。鍋底には澄んだ液状の脂が大さじ1杯くらい出る。肉の膠質はゼラチン化し、カラメル色の美しい色になる。肉を取り出し、鍋に水を加えて煮立て、塩、こしょうで調味してグレービーソースとする。液体を加えないで、肉それ自身が含んでいる水分を利用した調理法で、冬季などストーブの上で十分できる料理である。
[小林文子]
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
…(4)イギリス料理 一般に堅実で保守的なイギリス人は,食事も実質的なものを重んじる。調理法,味付けは全体に単純で,肉料理ならロースト・ビーフやロースト・ラムのようなロースト料理(ロースト)が代表的である。牛のしっぽを使ったオックス・テール・シチュー,ラム肉と野菜を使ったアイリッシュ・シチュー(シチュー)のような煮込み料理や,子牛やラムの腎臓を加えた詰物をして焼くキドニー・パイkidney pieなど,家庭料理に美味なものが多い。…
…(5)ソルベ 英語ではシャーベット。アントレとローストの間に口直しとして出されるため,甘みをおさえてある。(6)ロースト 鳥獣肉を大きな塊のままオーブンで焼いたもので,フランス語ではロティと呼ぶ。…
※「ロースト」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
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