ロータリー・クラブ(読み)ろーたりーくらぶ(英語表記)Rotary Club

翻訳|Rotary Club

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ロータリー・クラブ」の意味・わかりやすい解説

ロータリー・クラブ
ろーたりーくらぶ
Rotary Club

社会奉仕理想を掲げる世界的規模のクラブ団体。1905年アメリカ、シカゴの弁護士ハリスPaul P. Harris(1868―1947)と3人の友人によって組織され、会員が持回りで自分たちの事務所を会合の場所にしたことから、ロータリー(回るという意)の名がついた。1922年には国際組織がつくられた。構成員は原則として1業種1人に限られ、会員の推薦によって入会できる。奉仕活動にはクラブ奉仕、職業奉仕、社会奉仕、国際奉仕がある。とくに国際奉仕に力を入れ、1978年から3Hプログラム(Health, Hunger, Humanity。保健、飢餓追放、人間性尊重のためのプログラム)による開発途上国の援助、1985年からポリオプラス運動(ポリオ撲滅活動+麻疹(ましん)・ジフテリア結核・百日咳(ひゃくにちぜき)・破傷風の予防接種実施)などを行っている。ロータリー・クラブの会員は1989年までは男性に限られていたが、同年定款の変更が行われ、女性の入会が認められるようになった。1996年からは女性のニーズにこたえるロータリー活動なども行っている。国際本部はアメリカ、イリノイ州エバンストン。2009年時点で200以上の国および領域に約3万2000のクラブをもち、約120万人の会員がいる。日本では1920年(大正9)に米山梅吉が本部の委任によって設立し、2009年(平成21)時点で2301クラブ、9万2664人の会員がいる。1961年(昭和36)と1978年には東京で国際ロータリーRotary International(RI)の国際大会が開かれた。

[梶 龍雄]

『米山梅吉著『ロータリー・クラブ』(1929・社会教育協会)』『ポール・ハリス著、米山梅吉訳『ロータリーの理想と友愛』(1936・三省堂)』『小堀憲助著『ロータリー・クラブ――その理論と実態と批判』(1968・鳳舎)』『『ロータリー日本50年史』(1971・ロータリー日本50年史編集委員会)』『ポール・ハリス著、柴田實訳『ロータリーへの道』改訂版(1993・国際ロータリー第2790地区)』

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百科事典マイペディア 「ロータリー・クラブ」の意味・わかりやすい解説

ロータリー・クラブ

社会奉仕・国際親善を目的とする国際的な友好団体。1905年米国で発足。1都市を1単位とし,クラブ員は1職業1人が原則。クラブがその地域の各職業の代表的人物を選んで入会を要請する。日本では1920年に東京にできたのが初め。各支部が輪番懇親会を開くのでロータリー(輪転)の名が出た。

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