ロールシャッハテスト(読み)ろーるしゃっはてすと(その他表記)Rorschach Test

デジタル大辞泉 「ロールシャッハテスト」の意味・読み・例文・類語

ロールシャッハ‐テスト(Rorschach test)

投影法による人格検査の代表的なもの。左右対称なインクしみが何に見えるかという反応もと被験者人格を理解しようとする検査。20世紀初め、スイスの精神科医ロールシャッハ[1884~1922]の考案

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精選版 日本国語大辞典 「ロールシャッハテスト」の意味・読み・例文・類語

ロールシャッハ‐テスト

  1. 〘 名詞 〙 ( [ドイツ語] Rorschach-Test ) スイスの精神病医ロールシャッハが考えだしたテスト。左右対称なインクのしみが何に見えるか、という反応によって、その人の性格や精神内部のコンプレックスを見出そうとする検査。ロールシャッハ法。〔校正おそるべし(1959)〕

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ロールシャッハテスト」の意味・わかりやすい解説

ロールシャッハ・テスト
ろーるしゃっはてすと
Rorschach Test

インク・ブロットink blot(インキのしみ)の知覚に基づいて人格評価を行う技法であり、のちに投影法とよばれる一連の人格評価法が開発される機縁となった。1921年スイスの精神科医ロールシャッハHermann Rorschach(1884―1922)が、主として精神分裂病統合失調症)等の精神医学的診断のために考案し、カードとその用法を精神診断法Psychodiagnostikと名づけて出版した。その後、日本やアメリカでは、作成者の名を冠して一般にロールシャッハ・テストとよばれるようになった。あいまいなインキのしみを提示し、それが何に見えるかをたずねるので、人さまざまな知覚による千差万別な反応が得られ、それを解釈する技法の体系中心となる。したがって、通常のテストのように標準化によって機械的に判定・評価ができるようなものではないので、テストという名を避けてロールシャッハ・テクニックとよぶ者もある。その方法は、左右対称のインキのしみの図10枚を被検者に見せ、何に見えるかの応答を求め、反応が図のどのような特徴から生じたかを中心に分析、解釈することにより、人格の知的面や情意面を理解しようとするものである。全世界で広範に利用されているが、とくにアメリカではベックSamuel Jacob Beck、クロッパーBruno Klopferら多くの研究者によって発展研究され、わが国でもこれらアメリカの研究から強い影響を受けながら広く利用、研究が行われている。

[冨田正利]

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