ワイオミング(英語表記)Wyoming

翻訳|Wyoming

精選版 日本国語大辞典 「ワイオミング」の意味・読み・例文・類語

ワイオミング

  1. ( Wyoming ) アメリカ合衆国の州の一つ。西部、ロッキー山脈にある。州都シャイアン鉱物資源に富む。イエローストーン、グランドティートンの両国立公園がある。

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改訂新版 世界大百科事典 「ワイオミング」の意味・わかりやすい解説

ワイオミング[州]
Wyoming

アメリカ合衆国西部の山地州。略称Wyo.。連邦加入1890年,44番目。面積25万1489km2,人口56万3626(2010)。州人口は全米で最小。州都および最大都市シャイアン。ロッキー山脈の大陸分水界を含む山地が州の大半を占めるが,東部にはグレート・プレーンズがひろがる。州の平均標高は約2000mで,コロラド州に次いで高い。最高点はギャネット・ピーク(4207m)。美しい自然で有名な州で,合衆国最初の国立公園イェローストーン国立公園(1872指定)が州北西端に,合衆国最初の国定記念物デビルズ・タワー(1906指定)が北東部に位置する。西部劇《シェーン》のロケ地ともなったグランド・ティートン国立公園(1929指定)もある。最も重要な産業は鉱業で,石油,天然ガス石炭ウランが各地で産出する。工業化はシャイアンを中心に進められている。グレート・プレーンズでは大麦小麦トウモロコシエンバクなどの大規模農業が行われている。また,肉牛や羊の大放牧が各地に見られる。

 白人到来以前,プレーリーに大群をつくって生息していた野生のバイソンを求めて,多くの平原インディアンがこの地で生活していた。18世紀中ごろからフランスの毛皮商人が現れ,1803年ルイジアナ購入でアメリカ領となった。34年,のちにフォート・ララミーと名づけられた交易所が建設された。19世紀中ごろから白人の侵入に対するインディアンの怒りが高まり,レッド・クラウドに率いられたスー族シャイアン族の戦士たちが1876年ごろまで合衆国軍隊と戦った。ワイオミングの発展は1869年の最初の大陸横断鉄道完成以後といえるが,定着人口は少なく,開拓民の多くはロッキー山脈を越えてより西へ向かった。ワイオミングは〈同権の州Equality State〉の別称をもつが,それは1869年に合衆国で初めて地方議会における婦人参政権が認められ,1925年には最初の女性知事が誕生したためである。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ワイオミング」の意味・わかりやすい解説

ワイオミング
わいおみんぐ
Wyoming

アメリカ合衆国西部の山岳州。面積25万3596平方キロメートル。人口49万3782(2000)。北をモンタナ州、東をネブラスカ州とサウス・ダコタ州、南をユタ州とコロラド州、西をユタ州とアイダホ州とモンタナ州に囲まれる。州都シャイアン。西部にはロッキー山脈が連なり、その東は広大な大平原が広がって、北西から南東方向に大陸分水嶺(ぶんすいれい)が走る。州内をグリーン川、ビッグホーン川、イエローストーン川の主要河川が延び、気候は全般的には半乾燥気候を呈す。全米第9位の面積のわりに人口は第49位と少なく、人口密度が極端に低い。最大都市のキャスパーでさえ人口は4万9644(2000)で、主要都市は南西部域に集中する。州の60%以上が森林であり、土地は耕作地には適さず、古くからウシ、ヒツジの牧畜が主要産業として発達してきた。現在でも羊毛などは全米第2位の生産高を誇り、灌漑(かんがい)の整備によってコムギ、オオムギ、豆類なども栽培されるが、州経済を支える大黒柱は鉱業にとってかわられた。ユタ州境近くに石油・天然ガスの豊富な衝上断層地帯が広がり、ウラン、石炭、トロナ(重炭酸ソーダ石)、ベントナイトなどの埋蔵量も多く、合衆国の地下資源の宝庫といわれて、州内はエネルギー・ブームに沸き立っている。観光業の伸びも著しく、北西端部に合衆国最古のイエローストーン国立公園やグランド・ティートン国立公園、合衆国最初の国定記念物となったデビルズ・タワーなどの大自然があり、近年ここを訪れる観光・行楽客は増加の一途をたどっている。工業は、製油業、食品加工業以外は振るわず、低迷を続けている。18世紀中ごろからフランスの探検隊が入り、1803年のルイジアナ購入で合衆国領となる。1840年代には西部開拓道路のオレゴン道が州を通過したため発展したが、反面インディアンとの抗争が19世紀後半まで続けられた。1869年にユニオン・パシフィック鉄道が開通すると多くの町が誕生、発展し、68年には準州、90年には第44番目の州に昇格した。また、1869年に合衆国最初の女性参政権が認められた所でもあり、1925年には最初の女性知事も誕生している。地名は、インディアン語で「大草原」の意である。

[作野和世]


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百科事典マイペディア 「ワイオミング」の意味・わかりやすい解説

ワイオミング[州]【ワイオミング】

米国西部,ロッキー山脈中の州。略称Wyo.,WY。大部分が標高1500〜2000mで,中央部は半乾燥の高原をなし,東部はグレート・プレーンズに続く。北西部にイエローストーン国立公園グランド・ティートン国立公園がある。羊と牛の放牧が盛ん。大麦,小麦のほか飼料用の燕麦,牧草,トウモロコシやテンサイなどが栽培される。石油,天然ガス,ウラン,石炭,ベントナイト,鉄などの鉱産に恵まれる。農産加工,林産加工のほかはめぼしい工業はない。18世紀中ごろ白人が到来。1803年のルイジアナ購入で米領に。19世紀中ごろには白人とインディアンの衝突が多かった。1890年連邦加入。1869年合衆国で初めて婦人参政権(地方議会)が認められた。州都・最大都市シャイアン。25万1470km2。58万4153人(2014)。

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デジタル大辞泉プラス 「ワイオミング」の解説

ワイオミング

《Wyoming》アメリカ海軍の戦艦。ワイオミング級の1番艦。弩級戦艦。船体識別番号はBB-32。1911年進水、1912年就役。1931年、ロンドン軍縮条約を経て補助練習艦に種別変更。1947年退役、解体。

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