y=ax+b(a,bは定数)で表される関数のこと。一次分数関数も一次関数と呼ばれることもあるが,ここでは前者のみについて説明する。関数y=ax+bをxy平面上に表示すれば,y軸に平行でない直線である。逆に,xy平面上の直線でy軸に平行でないものは,一次関数のグラフとして得られる。この直線上の相異なる2点P=(x1,y1),Q=(x2,y2)を取ったとき,は点P,Qの取り方によらない。この値を直線の傾きという。直線とx軸との間の角をθ(0°≦θ<90°)とすれば,直線が右上がりのときはtanθ,右下がりのときは-tanθが傾きになる。直線y=ax+bの傾きはaである。直線がx軸およびy軸と交わる場合,y軸との交点のy座標およびx軸との交点のx座標は,それぞれその直線のy切片およびx切片と呼ばれる。直線がy=ax+bで表され,a≠0のときは,y切片はbでx切片は-b/aである。x切片がc(c≠0),y切片がd(d≠0)の直線は\(\frac{x}{c}\)+\(\frac{y}{d}\)=1で表される。二つの一次関数y=a1x+b1,y=a2x+b2が表すxy平面の直線はa1=a2,b1=b2のときに一致する。a1=a2でb1≠b2ならば2直線は平行になる。すなわち,2直線は交わらない。a1≠a2ならば2直線は必ず交わり,その交点の座標は連立一次方程式{y=a1x+b1,y=a2x+b2}の解として得られる。
執筆者:丸山 正樹
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
a、bを定数とするときy=ax+b(a≠0)で表される関数をいう。とくに、定数bが0であれば、yはxに比例(正比例)する。定数項bは、xの値が0のときのyの値を表す。また、xの係数aについては、任意のxの値x1、x2(x1≠x2)に対応するyの値をそれぞれy1、y2とすれば、つねに
a=(y2-y1)/(x2-x1)
が成り立つ。この右辺は、yの増加量の、xの増加量に対する「変化の割合」(平均変化率)とよばれる。すなわち、一次関数では、変化の割合が一定で、その値はaに等しい。
方程式y=ax+b(a≠0)を満たす点(x,y)の集合、すなわち、この一次関数のグラフは2点(0,b)、(1,a+b)を通る直線である。この直線をlとすれば、lはx軸にもy軸にも平行でない。また、lはaが正のときは右上がり(負のときは右下がり)となり、このことは、xが増加すれば、yがつねに増加する(つねに減少する)ことに相当する。aは直線lの傾き(勾配(こうばい))、bは切片(せっぺん)(y切片)とよばれる。lはy=axのグラフを、y軸の方向にbだけ平行移動したもの、あるいはx軸の方向に-b/aだけ平行移動したものと考えられる。
また、lがx軸の正の方向とでつくる角をαとすればa=tanαが成り立つ。たとえば、気温x℃のときの空気中の音の速さを毎秒yメートルとすれば、だいたいy=0.6x+331が成り立つ。これは一次関数の関係となっている。
[植竹恒男]
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