デジタル大辞泉
「細かい」の意味・読み・例文・類語
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
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こまか・い【細】
- 〘 形容詞口語形活用 〙
[ 文語形 ]こまか・し 〘 形容詞ク活用 〙 - ① 大きさ、量などが非常に小さい。また、線などがたいへん細い。微細である。微小である。こまい。〔詞葉新雅(1792)〕
- [初出の実例]「あざやかに笑った。白い細かい歯が、行灯の明りできらめいた」(出典:ヰタ・セクスアリス(1909)〈森鴎外〉)
- ② 繊細で美しい。きめこまかである。デリケートである。
- [初出の実例]「感を起す情もいと細(コマ)かし」(出典:露団々(1889)〈幸田露伴〉二)
- ③ (金額が)小さい。小額である。
- [初出の実例]「いや、これは剰銭(おつり)が足りない。私も生憎(あひにく)小(コマカ)いのが…」(出典:義血侠血(1894)〈泉鏡花〉四)
- ④ けちである。勘定高い。みみっちい。こまい。
- [初出の実例]「寒き時は灯明の火にてせなかをあたため、暑折には越中ふんどし一筋にてかせぎ、こまかうして銭高八千貫目持」(出典:咄本・軽口露がはなし(1691)四)
- ⑤ 物事の価値が小さい。些細である。
- [初出の実例]「麻布のせんべい屋の忰で、こまかいヨタ者あがりで」(出典:浅草(1931)〈サトウ・ハチロー〉僕の浅草)
- ⑥ 綿密である。念入りである。緻密である。また、ささいなことに気をとめるさまである。こまい。
- [初出の実例]「成程女と云ふものは細かいものだ」(出典:坊っちゃん(1906)〈夏目漱石〉七)
- 「成ほど祖母の言葉の中には、経験に経験を重ねた細(コマ)かい観察がひそんでゐる」(出典:一兵卒の銃殺(1917)〈田山花袋〉二八)
- ⑦ ねんごろである。親切である。
- ⑧ 囲碁で、対局している両者の地の目数が近接している。
- [初出の実例]「私の方が悪いでせう。どっちにしても細かいです」(出典:伊豆の踊子(1926)〈川端康成〉三)
細かいの語誌
もとは、形容動詞「細かなり」であったが、中世ごろから、シク活用の形容詞「細かしい」が生じ、近世になって、ク活用の「細かい」も見られるようになった。現代ではク活用のみが使われている。
細かいの派生語
こまか‐さ- 〘 名詞 〙
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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