細かい(読み)コマカイ

デジタル大辞泉 「細かい」の意味・読み・例文・類語

こまか・い【細かい】

[形][文]こまか・し[ク]
いくつか集まって一まとまりになっているものの、一つ一つの形が非常に小さい。「―・い砂」「―・い雨が降る」「―・い字で書く」「―・い編み目のセーター」「野菜を―・く刻む」⇔粗い
金高が小さい。「―・い金を持ち合わせていない」「一万円札を―・くする」
動きが小さい。「肩を―・く震わせる」
物事細部にわたっている。詳しい。「―・い話は抜きにしよう」「情景を―・く描写する」
小さいところまで行き届いている。「芸が―・い」「―・く気を遣う」
取るにたりない。些細ささいである。「―・い過ちをいちいち指摘する」「―・い事までとやかく言う」
勘定高い。金銭に対してうるさい。けちだ。「金に―・い奴」「取引に関しては―・い」
囲碁で、勝敗形勢が微妙である。「―・い碁」
[派生]こまかさ[名]
[類語](1小さい微小微細細微細密緻密ちみつ細かしょう小さなちっちゃいちっぽけ低い小さめ矮小わいしょう寸足らずちんちくりん小振り小形小柄小作り小粒豆粒芥子けし群小最小小規模細細ほそぼそ零細ちんまりこぢんまりちまちまミニ/(4詳しい詳細精細微細矮小わいしょう事細か詳密明細克明つまびらか子細につぶさ逐一細大漏らさず/(5こまやか木目きめ細か細心綿密細緻さいち緻密繊細デリケートデリカシー神経質微に入り細を穿つ/(6細細こまごましい煩瑣はんさ瑣末さまつ些細ささい枝葉枝葉末節末梢的些事細事小事ちょっとした取るに足りないたわいない何でもない愚にもつかぬ益体も無いらちも無い高が知れる二次的二義的副次的些些ささささやかわずか幾ばくたかがいささかほんの有るか無きかちょっと一縷いちる一抹些少さしょう末節無駄事雑事微微つまらない無意味下らない問題外部分的派生的卑小眇眇びょうびょうよし無いトリビアル連体修飾語として)瑣瑣ささたる区区くくたる/(7けち吝嗇りんしょくしみったれしわい渋いしょっぱいみみっちい貧乏臭い貧乏たらしいいじましいさもしい卑しいせこい陋劣ろうれつけちけちけち臭い世知辛いこすい安っぽい安手ちゃちみすぼらしいぼろい貧相貧弱むさくるしい所帯染みる(けちな人)けちん坊しわん坊握り屋締まり屋吝嗇漢守銭奴しゅせんど倹約家始末屋

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精選版 日本国語大辞典 「細かい」の意味・読み・例文・類語

こまか・い【細】

  1. 〘 形容詞口語形活用 〙
    [ 文語形 ]こまか・し 〘 形容詞ク活用 〙
  2. 大きさ、量などが非常に小さい。また、線などがたいへん細い。微細である。微小である。こまい。〔詞葉新雅(1792)〕
    1. [初出の実例]「あざやかに笑った。白い細かい歯が、行灯の明りできらめいた」(出典:ヰタ・セクスアリス(1909)〈森鴎外〉)
  3. 繊細で美しい。きめこまかである。デリケートである。
    1. [初出の実例]「感を起す情もいと細(コマ)かし」(出典:露団々(1889)〈幸田露伴〉二)
  4. (金額が)小さい。小額である。
    1. [初出の実例]「いや、これは剰銭(おつり)が足りない。私も生憎(あひにく)(コマカ)いのが…」(出典:義血侠血(1894)〈泉鏡花〉四)
  5. けちである。勘定高い。みみっちい。こまい。
    1. [初出の実例]「寒き時は灯明の火にてせなかをあたため、暑折には越中ふんどし一筋にてかせぎ、こまかうして銭高八千貫目持」(出典:咄本・軽口露がはなし(1691)四)
  6. 物事の価値が小さい。些細である。
    1. [初出の実例]「麻布のせんべい屋の忰で、こまかいヨタ者あがりで」(出典:浅草(1931)〈サトウ・ハチロー〉僕の浅草)
  7. 綿密である。念入りである。緻密である。また、ささいなことに気をとめるさまである。こまい。
    1. [初出の実例]「成程女と云ふものは細かいものだ」(出典:坊っちゃん(1906)〈夏目漱石〉七)
    2. 「成ほど祖母の言葉の中には、経験に経験を重ねた細(コマ)かい観察がひそんでゐる」(出典:一兵卒銃殺(1917)〈田山花袋〉二八)
  8. ねんごろである。親切である。
  9. 囲碁で、対局している両者の地の目数が近接している。
    1. [初出の実例]「私の方が悪いでせう。どっちにしても細かいです」(出典:伊豆の踊子(1926)〈川端康成〉三)

細かいの語誌

もとは、形容動詞「細かなり」であったが、中世ごろから、シク活用形容詞「細かしい」が生じ、近世になって、ク活用の「細かい」も見られるようになった。現代ではク活用のみが使われている。

細かいの派生語

こまか‐さ
  1. 〘 名詞 〙

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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