デジタル大辞泉
「七島」の意味・読み・例文・類語
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しち‐とう‥タウ【七島】
- [ 1 ] 〘 名詞 〙
- ① カヤツリグサ科の多年草。熱帯・亜熱帯に広く分布し、日本へは寛文二年(一六六二)頃薩南諸島から渡来したという。関東南部以西・四国・九州の水田に栽培される。稈(かん)は高さ一・五メートルぐらいになり三稜があり、根茎は地中をはう。葉は基部に二~三枚あり長さ三〇センチメートルぐらいの長い鞘(さや)となって茎を包み、葉身はないか、あっても短く披針形で長さ五センチメートルぐらい。夏から秋にかけ、稈の先端の苞葉間に淡黄褐色で長さ一~四センチメートルの小穂を二~三個傘形につける。稈は畳表(たたみおもて)・ござ・花むしろなどの原料にする。七島藺。琉球藺。三角藺。〔大和本草(1709)〕
- ② 植物「ふとい(太藺)」の異名。〔重訂本草綱目啓蒙(1847)〕
- ③ 七つの島。特に、ある限られた水域にある七つの島々の総称として用いられる。
- [ 2 ]
- [ 一 ] 「いずしちとう(伊豆七島)」の略。
- [ 二 ] 鹿児島県、吐噶喇(とから)列島の七島のこと。宝七島。吐噶喇七島。川辺(かわなべ)七島。
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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七島
しちとう
吐
喇列島の口之島・臥蛇島・中之島・平島・諏訪之瀬島・悪石島・宝島(小宝島を含む)の七島からなる。三島あるいは上三島(硫黄島・竹島・黒島、現三島村)に対して七島または下七島とよぶ。「三国名勝図会」によると、七島付近は潮の流れが速く、琉球往来の際最大の難所とされ、七島灘あるいは落
と称されたという。
〔中世〕
七島または奥七島といわれ、十二島に属した。十二島地頭職は守護島津氏が有し(嘉禄三年一〇月一〇日「将軍家安堵下文」島津家文書)、貞治二年(一三六三)まで島津氏に伝領された(同年四月一〇日「島津道鑑譲状案」同文書)。島津氏の地頭職のもと河辺通綱が貴海島へ渡航している(「吾妻鏡」文治三年九月二二日条)。河辺氏に代わって登場する千竈時家は北条得宗家の被官で、嘉元四年(一三〇六)「七島」を熊夜叉丸に譲っている(同年四月一四日「千竈時家譲状」千竈文書)。応永二一年(一四一四)七島のうち一島が総州家島津久世より某氏に与えられ(同年九月一六日「島津久世宛行状」島津伊久系図)、永享七年(一四三五)五島・七島が守護代島津好久により伊集院犬子丸に与えられ(同年六月三〇日「島津好久宛行状」旧記雑録)、翌八年七島のうち伊集院氏が知行している二島(「雲遊雑記伝」は臥蛇島・平島とする)が好久により種子島幡時に与えられた(同年八月一〇日「島津好久宛行状」種子島家譜)。天文五年(一五三六)守護島津勝久は自分が入国したら七島のうち一所を入来院重朝に与えると約している(六月三日「島津勝久書状」旧記雑録)。明代の一五五七年に刊行された「日本一鑑」に七島がみえ、一六世紀中葉には七島は中国に知られていた。弘治―天正年間(一五五五―九二)には毎年のように日向の悪党が当島に来たが、七島勢は彼らを討取ったという(明和七年「六島郡司申書」列朝制度)。
一六世紀中葉以降、七島の船は七島船といわれ(万暦六年四月五日「琉球国三司官書状」旧記雑録)、薩摩と琉球間の交易を担当していた(八月二四日「伊集院忠棟書状」伊集院氏系図など)。七島は文禄・慶長の役のとき仕立船で島津氏に奉公し、その帰陣に際しても肥前名護屋(現佐賀県鎮西町)で待受けて働いたので、七島郡司は賞され、さらに慶長一四年(一六〇九)の鹿児島藩の琉球渡海の際、水先案内をしたので恩賞として三〇〇石を与えられ、島津氏当主に年頭のお目見えを許されたという(明和七年六島郡司申書)。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
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七島 (シチトウ・ヒチトウ)
学名:Cyperus monophyllus
植物。カヤツリグサ科の多年草
七島 (シチトウ)
植物。カヤツリグサ科の抽水性多年草,園芸植物。フトイの別称
出典 日外アソシエーツ「動植物名よみかた辞典 普及版」動植物名よみかた辞典 普及版について 情報
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出典 (株)朝日新聞出版発行「とっさの日本語便利帳」とっさの日本語便利帳について 情報
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世界大百科事典(旧版)内の七島の言及
【吐噶喇列島】より
…[薩南諸島]の一部をなす列島。古くは七島,川辺(かわなべ)七島,宝七島などと呼ばれた。鹿児島県鹿児島郡十島(としま)村を形成し,諸島間の交通が不便なため村役場は鹿児島市にある。…
※「七島」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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