万方(読み)バンポウ

デジタル大辞泉 「万方」の意味・読み・例文・類語

ばん‐ぽう〔‐パウ〕【万方】

あらゆる方面。すべての方面。
「―都合よくなるではないか」〈左千夫・春の潮〉
いろいろの方法。すべての手段
「果して自分医師として、―を尽したろうか」〈芥川枯野抄

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精選版 日本国語大辞典 「万方」の意味・読み・例文・類語

ばん‐ぽう‥パウ【万方】

  1. 〘 名詞 〙
  2. あらゆる方面。方々諸方
    1. [初出の実例]「万方宅心、四海撃腹。蕩々之称、千古仰之」(出典:性霊集‐四(835頃)奉賀天長皇帝即位表)
    2. 「真乗の結縁、万方に普し」(出典:源平盛衰記(14C前)二四)
    3. [その他の文献]〔杜甫‐登楼〕
  3. 方々の国。万国万邦。〔書経‐湯誥〕
  4. 種々のてだて。あらゆる方法。また、種々のてだてを尽くすこと。あらゆる方法を試みること。百方。万端
    1. [初出の実例]「累日有恙 万方不痊」(出典:本朝文粋(1060頃)一四・為大納言藤原卿息女女御四十九日願文〈大江朝綱〉)
    2. [その他の文献]〔史記‐周本紀〕

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普及版 字通 「万方」の読み・字形・画数・意味

【万方】ばんぽう(ぱう)

あらゆる手段。また、あらゆる国々。唐・杜甫〔楼に登る〕詩 は高樓にくして、客心を傷ましむ 方多にして、此(ここ)に登臨す

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