精選版 日本国語大辞典 「万」の意味・読み・例文・類語
よろず よろづ【万】
〘名〙
※書紀(720)仁徳一四年是歳(前田本訓)「墾(は)りて四万余頃(よヨロツあまり)の田を得」
② (形動) 種類や形、様子などがさまざまであること。また、そのさま。いろいろ。種々。
※竹取(9C末‐10C初)「野山にまじりて竹を取りつつ万の事に使ひけり」
※栄花(1028‐92頃)月の宴「御祈などよろづに仕らせ給ふ」
③ すべてのこと。全部そろっていること。万事。
※書紀(720)推古一六年八月(岩崎本平安中期訓)「徳化(いきほひ)を弘めて、含(ヨロづ)の霊(もの)に覃(およ)ひ被らしむることを思ふ」
※徒然草(1331頃)二一七「人は万をさしおきて、ひたふるに徳をつくべきなり」
ばん【万】
(「万」の漢音)
[1] 〘名〙 数の単位。千の一〇倍。まん。よろず。また、非常に多くの数。
[2] 〘副〙
① 十分に。まったく。ばんばん。
② どうしても。なんとも。もしも。万一。まん。
※春迺屋漫筆(1891)〈坪内逍遙〉政界叢話「彼れは脱隊者となりて其営を去りたり。思ふに間牒となりて帰り来ることは万(バン)無かるべしと」
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