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三位一体改革 さんみいったいかいかく

知恵蔵の解説

三位一体改革

国が地方に支出する国庫補助負担金の廃止・縮減、地方交付税見直し、国から地方への税源移譲を一気に行うことで、地方分権を図ると同時に、国と地方の財政赤字の再建を進めようとする小泉内閣の改革。補助金を維持したい事業官庁と政治家、国税を確保したい財務省、交付税を守りたい総務省の利害がぶつかり合い調整が難航してきた。2002年の骨太の方針で打ち出され、政府から要請を受けた全国知事会が補助金削減案をまとめたり、国と地方の協議が継続して行われたりするなどの展開の後、05年11月に、政府与党の間での合意により、最終的な決着を見た。国庫補助負担金の削減は4兆7000億円、地方交付税及び臨時財政対策債は5兆1000億円の削減となり、3兆円規模の税源移譲が一応実現した。05年から議論になっていた義務教育国庫負担金制度は維持され、国庫負担の割合が2分の1から3分の1に減らされた。地方側が望んでいなかった生活保護費負担金の削減は回避されたが、地方案に盛り込まれていた公共事業関連補助金の削減には手がつけられず、児童手当の補助率引き下げなどによって数合わせをしたともいえ、地方6団体は第2期改革を求めている。

(北山俊哉 関西学院大学教授 / 笠京子 明治大学大学院教授 / 2007年)

三位一体改革

国税から地方税への税源移譲、補助金の廃止・削減、地方交付税の見直しを一体として改革し、国と地方の財政関係を分権的に改めること。日本では国と地方の歳出比率はほぼ4対6と、行政事務が地方に多く配分されているが、国税と地方税の比率は逆に6対4と、租税収入は国税に多く配分されている。こうした歳出と税収のアンバランスは、補助金や交付税等の、国から地方への財源移転によって埋め合わされている。このうち補助金は使途が限定されており、地方自治体には裁量権がない。そこで、補助金を廃止・削減し、その代わりに国税を地方に移譲した上で、地方交付税を見直すというのが三位一体改革である。しかし、平成18(2006)年度を最終年度とし、3年間かけて実施された三位一体改革では、4兆円の補助金改革と3兆円の税源移譲という数値目標は達成されたものの、地方自治体の裁量権拡大には結びつかない補助金改革が実現してしまった。しかも、3年間での地方交付税の削減は5兆円にも及び、地方分権という視点よりも国の財政再建が優先されたということができる。

(神野直彦 東京大学大学院経済学研究科・経済学部教授 / 2007年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

朝日新聞掲載「キーワード」の解説

三位一体改革

小泉政権による税財政改革。「地方にできることは地方に」という方針の下、04~06年度の3年間で、地方交付税5・1兆円、補助金4・7兆円をカットする代わりに3兆円の財源を地方に移譲した。地方交付税の大幅な削減が地方を疲弊させたとの指摘がある。

(2009-08-04 朝日新聞 朝刊 長野東北信 1地方)

出典 朝日新聞掲載「キーワード」朝日新聞掲載「キーワード」について 情報

デジタル大辞泉の解説

さんみいったい‐かいかく〔サンヰイツタイ‐〕【三位一体改革】

小泉純一郎政権時代に提言された地方分権地方財政の改革案。補助金削減、国から地方公共団体への税源移譲地方交付税の見直しの三つを一体的に改革するというもの。平成14年(2002)6月に閣議決定された「骨太の方針(経済財政運営と構造改革に関する基本方針)2002」において提唱された。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

百科事典マイペディアの解説

三位一体改革【さんみいったいかいかく】

国が地方に支出する補助金削減,地方への税源移譲,地方交付税制度改革の三つを同時に行い,中央主導の政治から,地方自治体が税金をより効率的に使えるようにして,地方分権を促進するための政策。巨額の財政赤字という危機的財政状況の下で歳出全体の削減や行政改革,財政再建を進める狙いがある。2001年に成立した小泉純一郎内閣のいわゆる〈聖域なき構造改革〉の一つとして推進され,02年6月に閣議決定された〈骨太の方針2002〉ではじめてこの言葉が用いられた。06年までの改革とされ一応の区切りがつけられた。財務省が推進した国の財政再建の面が強調され,地方分権の推進には充分な効果があがっていない,かえって国と地方の対立を促進したという評価もある。

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

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