関東山地にはじまり,中央構造線の外側に接して,中部地方天竜川地域から紀伊半島,四国を経て九州佐賀関半島まで,最大幅30kmで延長800km以上にわたり三波川結晶片岩(関東山地北部の三波川流域が模式地)が分布する地域をいう。黒色片岩(泥岩,砂岩に由来)や緑色片岩(玄武岩質凝灰岩に由来)等がみられ,ランセン石,ヒスイ輝石等が出現し,高圧の広域変成作用で形成された。この変成帯は,古くは小藤文次郎(1888)により太古代とされたが,最近,三畳紀を示すコノドント化石が発見され,原岩の時代は古生代後期~中生代中期と考えられている。変成年代は約1億~7千万年前(白雲母の放射年代)である。
執筆者:佃 栄吉+牧本 博
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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