上田紬(読み)ウエダツムギ

デジタル大辞泉 「上田紬」の意味・読み・例文・類語

うえだ‐つむぎ〔うへだ‐〕【上田×紬】

上田地方、またその周辺で産する絹の寛文から元禄ごろに始まる。信州紬

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精選版 日本国語大辞典 「上田紬」の意味・読み・例文・類語

うえだ‐つむぎうへだ‥【上田紬】

  1. 〘 名詞 〙 信州長野県)上田・小県・更級地方一帯で農家副業として織られ、上田を集散地とした絹紬織物縞物上田縞と称した。寛文~元祿一六六一‐一七〇四)頃に始まり、江戸時代には名声があった。信州紬。信濃紬。〔万金産業袋(1732)〕

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「上田紬」の意味・わかりやすい解説

上田紬
うえだつむぎ

長野県上田地方、更科(さらしな)、小県(ちいさがた)、埴科(はにしな)地方、とくに千曲(ちくま)川上流地帯でつくられる紬織物で、上田を集散地としたため上田紬と称する。歴史的には古く寛文(かんぶん)年間(1661~73)に伝えられ、江戸中期ごろから和糸生産の発展につれ、養蚕から生じる屑繭(くずまゆ)、玉繭(たままゆ)を利用し、農家の副業として盛んになり、最盛期は天保(てんぽう)年間(1830~44)で、のち松代(まつしろ)藩が上田産物会所(さんぶつかいしょ)を設けて発展を図った。『万金産業袋(ばんきんすぎわいぶくろ)』には「そのむかし上田より出たるは、たて横紬にて至極(しごく)つよし」とあるように、じょうぶな紬としての代表であった。繊維材料は、もと玉糸を使ったが、現在では経糸(たていと)に生糸緯糸(よこいと)に紬糸(多くは機械を使用する)を使い、一部に高機(たかばた)による手織りもあるが、力織機によるものが多くなっている。柄は縞(しま)が多く、絣(かすり)も織られているが、普段着向きの着尺地として使用される。

[角山幸洋]


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デジタル大辞泉プラス 「上田紬」の解説

上田紬

長野県上田市を中心に生産される絹織物。国指定伝統的工芸品「信州紬」のひとつ。丈夫な厚手の縞紬で、江戸時代の初頭に生まれたものとされ、最盛期は江戸時代後期。明治以降は衰退したが、戦後復興され現在に至る。縞柄が中心。

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世界大百科事典(旧版)内の上田紬の言及

【信州紬】より

…長野県全域10市17町村で生産される手織紬をいい,伝統的工芸品指定品。山繭紬(野蚕紬),上田紬,飯田紬,伊那紬,絁紬(あしつむぎ),絓紬(しけつむぎ),ふとり紬などがある。上田紬は17世紀後半から織りはじめられ,上田縞として知られていた。…

※「上田紬」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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