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井料 いりょう

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

井料
いりょう

井堰,池,溝,堤防など灌漑用水に関する修繕料あるいは使用料。灌漑用水の管理は,律令制下では国家権力に属し,荘園制下では荘園領主の権限のもとにおかれた。したがってその保全のための費用も,国や荘園領主が負担した。実際に農民の手によってそれが修理された場合は,国家,荘園領主からその代償として米などの費用が下付され,これを井料といった。井料田は,特に鎌倉時代以降顕著になるもので,名田 (みょうでん) のうち,井料にあてるため,あらかじめ年貢賦課の対象から除外されたものをいった。また,ほかの荘園の用水の使用料をも,井料といっている場合もある。さらに,用水の使用料として領主から徴収された場合もある。

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デジタル大辞泉の解説

い‐りょう〔ゐレウ〕【井料】

中世、農民が灌漑(かんがい)施設を利用するとき、用水権を持つ荘園領主などに納入した使用料。
中世、領主が灌漑施設を修理するために農民を使役したとき支給した食糧・費用など。

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大辞林 第三版の解説

いりょう【井料】

中世、荘園領主や大名が、灌漑かんがい用水の使用料として農民に賦課した税。
中世末期、灌漑施設の管理・修理などの費用として領主から農民に下付された食用米。井料米。井領米。

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世界大百科事典内の井料の言及

【検注帳】より

…その次が〈人給〉と称する項目で,荘園における諸代官の給分などが含まれる。以上が一般的なものであるが,荘園の事情により〈井料〉などの灌漑費がこれに含まれる場合が多い。以上の除田の合計を,総額から差し引くと,徴税可能の田数が明らかになる。…

【溜池】より

…中世の溜池には大規模なものは少ないが,能率的な利用という点では発展した面もあった。領主の経営になった溜池の水は,それの通過する(利用する)下流域の村々をして用水路敷の借地料に相当する〈井料〉と称する財物(多くは米)の授受を条件としている場合もはなはだ多い。室町期,ことに戦国期以降になると,武士・地頭による池の奪取,荘園あるいは村落相互間の自治的結合による自主的な支配が多くなる。…

※「井料」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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