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不告不理の原則 フコクフリノゲンソク

世界大百科事典 第2版の解説

ふこくふりのげんそく【不告不理の原則】

公訴の提起がないのに裁判所が審理を行うことは許されないという原則。刑事訴訟は,検察官の起訴した事件だけを審理および判決の対象とするのであって,起訴されていない事件について裁判所が職権で審理を開始し,判決を言い渡すことはできない。不告不理の原則は,刑事訴訟の基本原則である当事者主義の要請するところであり,現行法はこの原則に例外を認めていない。公訴の提起は,公訴事実を記載した起訴状を提出することによりなされるが(刑事訴訟法256条),公訴提起の効力は,単一の事実全体に及ぶ一方,それ以外の事実には及ばない。

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大辞林 第三版の解説

ふこくふりのげんそく【不告不理の原則】

刑事訴訟法上、検察官による公訴の提起がない限り、裁判所が事件の審理を行うことが許されないという原則。 → 弾劾主義

出典 三省堂大辞林 第三版について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

不告不理の原則
ふこくふりのげんそく
nemo iudex sine actoreラテン語

刑事訴訟では、裁判所は検察官の公訴の提起をまってのみ、そして検察官が公訴の提起によって審判を求めた事件についてだけ審判をなすべし、とする主義をいう。公訴は、検察官の指定した被告人以外の者にその効力を及ぼさない(刑事訴訟法249条)。審判の請求を受けた事件について判決をせず、または審判の請求を受けない事件について判決をした場合には、絶対的控訴理由になる(同法378条3号)。「事件」の解釈については学説上争いがある。第一説は、訴因として主張された犯罪事実をいうとし、第二説は、具体的な当該訴因を含めた単一性、同一性を有する公訴事実をいうとする。控訴理由との関係で差異を生じる。[内田一郎]
 民事訴訟では、当事者(原告)の訴えの提起がなければ訴訟は開始されないという基本原理をいう。すなわち民事訴訟は、当事者の権利保護のための制度であるから、主体性を当事者側に置き、裁判所は訴え(判決の申立て)のあった事項についてだけ審理判決し、積極的に訴えのない事件、また訴えの範囲を越えた事項については判決しない、という原則である。行政訴訟もまたこの原則をとっている。[内田武吉]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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