精選版 日本国語大辞典「不定」の解説
ふ‐じょう ‥ヂャウ【不定】
〘名〙 (形動)(「じょう」は「定」の呉音)
※霊異記(810‐824)下「余とは不定の姓にして、心を廻して大に向かふなり」
② 思いがけないこと。意外なこと。また、そのさま。
※宇治拾遺(1221頃)一「をのこどもまうで来たりといへば、不定のことかなといふ程に」
③ 心が定まらず浮気っぽいこと。また、そのさま。
※浄瑠璃・葵上(1681‐90頃か)三「先はふぢゃうな葵殿や、ゆくさきざきにておとこをたらし」
ふ‐てい【不定】
〘名〙 (形動)
① 定まらないこと。一定しないこと。また、そのさま。ふじょう。〔哲学階梯(1887)〕
※窮死(1907)〈国木田独歩〉「居所不明、若は不定(フテイ)な連中」 〔荘子‐天地〕
② 数学で、方程式の解が無数に存在すること。〔数学ニ用ヰル辞ノ英和対訳字書(1889)〕
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