不顕性感染(読み)ふけんせいかんせん(英語表記)inapparent infection; subclinical infection

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

不顕性感染
ふけんせいかんせん
inapparent infection; subclinical infection

微生物に感染しても定形的な臨床症状を示さず,健康にみえる場合をいう。この場合でも免疫は成り立ち,その後同じ種類の微生物に感染しにくくなる。無症状感染とも呼ばれる。

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大辞林 第三版の解説

ふけんせいかんせん【不顕性感染】

病原菌などに感染したにもかかわらず症状が現れないこと。抗原抗体反応で抗体ができていることから感染したことがわかる。無症状感染。潜在感染。サイレント-インフェクション。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

不顕性感染
ふけんせいかんせん

ウイルスや細菌などの病原体に感染しているものの、明らかな症状を示さない状態。無症状感染、無症候性感染ともいう。
 不顕性感染となることの多い感染症の例として、日本脳炎がある(日本脳炎ウイルス感染者における発症率は0.1~1%程度で、ほとんどが不顕性感染となる)。
 そのほかにも、身近な感染症――たとえば食中毒や胃腸炎の原因として知られるノロウイルス感染症や、毎年冬季を中心に流行するインフルエンザなどでも、感染しても発症しない不顕性感染者が一定数いることが知られている。一方、たとえば学校感染症の一つである麻疹(ましん)(はしか)では、不顕性感染はほとんどなく、感染者の90%以上が発症する。顕性感染となるか不顕性感染となるかは、病原体の種類や性質、感染量、感染者の体質や身体状況、年齢など、種々の要素が関係しあうと考えられている。
 不顕性感染では、感染症の種類等によっては、ときに本人に自覚がないまま周囲に感染を広げる感染源となる可能性があるほか、感染に気づかないまま病原体が体内から排除されない状態が続き(持続感染)、後になって発症するものもある。[編集部]

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精選版 日本国語大辞典の解説

ふけんせい‐かんせん【不顕性感染】

〘名〙 病原体に感染しているにもかかわらず、潜伏期を過ぎても身体になんらの症状をも示さない状態。日本脳炎、赤痢などに見られる。〔生物と無生物の間(1956)〕

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世界大百科事典内の不顕性感染の言及

【感染】より

…感染の結果,生体が全身性あるいは局所性に異常を生じてくることを発病といい,その病的状態を感染症infectious diseaseと呼ぶ。感染が成立しても,まったく病的状態が起こらないで,健康にみえる場合を無症状感染あるいは不顕性感染といい,症状をあらわす場合を顕性感染と呼ぶ。病原微生物を大別すれば,真菌,細菌,スピロヘータ,マイコプラズマ,リケッチア,クラミディア,ウイルスとなり,最も大きいものは原虫である。…

【保菌者】より

…この場合,少なくとも病原微生物が体内に侵入したことがあり,それにもかかわらず発病しない,という前段階がある。これを不顕性感染という。しかし,不顕性感染を起こした人が,すべて健康保菌者になるわけではない。…

※「不顕性感染」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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