世界人口会議（読み）せかいじんこうかいぎ

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世界人口会議【せかいじんこうかいぎ】

人口爆発などの問題を話し合うため，10年に１回，国連主催で開催される国際会議。初の政府間会合は1974年ルーマニアのブカレストで開催され，人口問題解決の指針として世界人口行動計画が策定，採択された。1984年のメキシコ会議では，この計画策定10年間の実施状況を検討し，その継続実施のための勧告が行われた。続く1994年のカイロ会議では，発展途上国の人口政策や家族計画の具体的な数値目標を定めるとともに，人口問題がはじめて〈持続可能な発展〉という視点から議論され，女性の地位向上と能力強化（エンパワーメント）が発展途上国・地域の人口問題の解決のために最も重要であるとされた。またリプロダクティブ・ヘルス（女性と生殖に関する健康）という考えも承認された。名称も国際人口・開発会議International Conference on Population and Developmentと変更された。
→関連項目国際連合｜国連人口基金

出典　株式会社平凡社

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

世界人口会議
せかいじんこうかいぎ
World Population Congress

1974年を「世界人口年」とする国連総会の決議をうけて，同年ブカレストで開催された世界の人口問題を討議する国連主催の会議。会議は主として発展途上国の開発との関連において人口対策を論議し，先進国も発展途上国も人口増加の抑制目標を定めて人口対策を実施するという「世界人口行動計画」を満場一致で採択した。同計画の目的は究極的には「すべての人間の生活水準の向上と生活の質の改善」にあり，そのための重点目標として，人口増加率の抑制，疾病と死亡率の低減，出生率抑制と結婚年齢の引上げ，人口の過度集中と偏在の防止，国際移動のための協定締結，人口構成の急変に対応する政策の配慮などが掲げられた。なお 84年にはメキシコ市で開催され「人口と開発に関するメキシコ市宣言」を承認した。 94年9月にはカイロで開催。

出典　ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

日本大百科全書(ニッポニカ)

世界人口会議
せかいじんこうかいぎ
World Population Conference

国連総会により世界人口年に指定された1974年に、136か国の代表の参加のもとにルーマニアのブカレストで開かれた人口問題に関する世界会議。国連は1967年に国連人口基金を設立するなど、以前から人口問題を取り扱ってきたが、この会議で採択された行動計画では、人口問題と社会的・経済的発展の問題との相関関係を考慮に入れるべきことが強調され、人口問題に新しい視点が導入された。この計画では、各国が自国の人口政策を決定する権利が確認され、人口抑制を必要とする国への国連の助言、子供の数を決定する夫婦および個人の権利、女性の経済活動への平等な参加権などが規定され、乳児死亡率の減少が最優先課題とされた。

［佐分晴夫］

出典　小学館　日本大百科全書(ニッポニカ)

世界大百科事典（旧版）内の世界人口会議の言及

【人口】より

…次いで，74年は国連の世界人口年として，世界中の国々が人口問題についての関心と対策の緊急性についての国民の認識を高揚するための地球規模的な努力が展開された。そして，同年夏にはルーマニアのブカレストにおいて第3回国連世界人口会議が開催され，人口問題を解決し，経済的･社会的発展をはかるための指針となるべき，〈世界人口行動計画〉が採択された。　他方，人口増加が近代化に及ぼす阻害的影響についての認識もしだいに浸透し，人口増加抑制のための家族計画を中心とした出生力制限政策がとくに1960年代において多くの発展途上諸国において積極的に実行されるに至った。…

※「世界人口会議」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典｜株式会社平凡社「世界大百科事典（旧版）」