アメリカの実業家エリザベス・アケリス女史が提唱した一種の太陽暦。今日、世界で使用しているグレゴリオ暦は、1年毎月の日数が28日から31日まで四通りもあり、同じ週日が毎年同月同日にこない。この欠点を除こうとしたのが世界暦であり、その案は、1年を各3か月の4期に分け、各期を91日、各月を31日、30日、30日とし、余り1日を12月の末に、閏(うるう)日は6月の末に置く。各期の第1日を日曜日とする。したがって各期の最後の日は土曜日となり、閏日・余日は無週日とし、世界的休日とする。各月の勤労日数は26日となる。かくして永久に変わらない暦になるというのがその骨子である。
アケリスは、1930年に世界暦協会を創立し、自ら会長となって、1月1日が日曜日にあたる1956年から実行に移そうと各国に働きかけを開始、1949年9月の国際連合総会の理事会にこの案を提出したが延期となり、1955年4月には国連経済社会理事会に諮り、世界各国の意見を問い合わせるまでに至ったが、大勢の賛成は得られず、問題討議はとりやめとなった。1973年、彼女が死去したことにより世界暦運動も消滅した。
[渡辺敏夫]
アメリカのアケリスElisabeth Achelisは1930年10月21日に世界暦協会を設立し,現行グレゴリオ暦に対する改暦案を広く提唱した。これが世界暦で,各月の日数を規則的にし,日付と曜日を固定することを目的とする。その骨子は1年を91日ずつの4期に分け,各期とも31日,30日,30日の3ヵ月とし,各期は日曜日で始まり土曜日で終わらせる。平年は12月30日の後に1日,閏(うるう)年は6月30日の後にも1日の週外日をおくというもの。国連に提案したが賛成を得られず,協会は56年解散し改暦運動は挫折した。
執筆者:内田 正男
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