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世界精神 せかいせいしんWeltgeist

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

世界精神
せかいせいしん
Weltgeist

世界を支配する統一的な理性原理のことで,神的な力,あるいは精神的な力として考えられる。世界霊魂と同義に用いられる場合もある。東洋ではインドのブラフマンの思想に,西洋ではアナクサゴラスヌースプラトンプシュケ,ストアのプネウマをはじめとして,プロチノス,プロクロス,オリゲネス,中世ではアベロエスに同様の思想が見出される。しかしキリスト教神学では神が超越的な原理として世界精神に取って代った。近代にいたりドイツ語の「世界精神」がヘルダー,ゲーテらに用いられたのは歴史の意味,歴史哲学との関係においてであり,それが哲学的に深められたのはヘーゲルにおいてである。ヘーゲルでは世界精神は世界史の理性的原理であり,世界史は世界精神の弁証法的展開であるとされた。

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デジタル大辞泉の解説

せかい‐せいしん【世界精神】

世界全体を支配・統制する理性原理。世界霊魂。
ヘーゲルの歴史哲学で、世界史の内に働く超越的な精神。

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百科事典マイペディアの解説

世界精神【せかいせいしん】

ドイツ語Weltgeistの訳で,とりわけヘーゲルの用語。一般にはあらゆる存在を統一する根源的な原理を人間精神との類比でこう呼ぶが,ヘーゲルでは,歴史哲学の重要概念として世界史のうちに自己およびその本質たる自由を実現する理念をいう。

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大辞林 第三版の解説

せかいせいしん【世界精神】

万物を根底において支持統一する生命的原理。世界霊魂。
ヘーゲルの歴史哲学で、世界史において、特殊的有限的なもの(民族精神)を媒介として自己を段階的に実現してゆく超越的な精神。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

世界精神
せかいせいしん
Weltgeistドイツ語

世界を支配する精神的原理のこと。世界精神は、すべてのもののなかに生きた統一として、法則として、神的な力として働き続けていると考えられる。古代インドのブラフマンやアナクサゴラスのヌース、あるいはストアのプネウマ、ブルーノの宇宙霊の思想などにおいてみられる。ヘーゲルは、いかなる民族精神も、どの時代精神も、世界史の歩みのなかで一つの個体の位置を占めるものにすぎず、世界史はただ一つの普遍的実体としての世界精神が自己を顕現し、実現してゆく過程であると考えた。つまり、世界精神の自己実現の過程が世界史であり、世界史においては神の理性が支配しているというのである。[伊藤勝彦]
『武市健人訳『ヘーゲル全集10 歴史哲学』全二冊(1954・岩波書店)』

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世界大百科事典内の世界精神の言及

【時代精神】より

…ヘルダーは,民族的な精神文化,とくに民俗的,地方的な言語や詩に深い関心を寄せるとともに,人類史を人間精神の完成に向かう普遍的歴史としてとらえる考え方を提示し,〈もろもろの時代の精神〉を示す〈諸民族の精神〉,〈諸民族の天才〉などの概念を用いた。さらに,ヘーゲルは,〈民族精神〉(近代国民国家の形成にともない〈国民精神〉ともなる)を,人類史(世界史)の発展の諸段階における普遍的な〈世界精神Weltgeist〉の顕現と考え,民族精神の歴史的,時代制約的性格を明確にした。こうして,普遍的な人間精神が特殊的,歴史的現実に具現するところに,ある時代の精神=文化の特徴を表す時代精神の存在をみる見方が確立される。…

※「世界精神」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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