中有(読み)チュウウ

精選版 日本国語大辞典 「中有」の意味・読み・例文・類語

ちゅう‐う【中有】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 仏語。衆生が死んでから次の縁を得るまでの間。四有の一つ。無限に生死を繰り返す生存の状態を四つに分け、衆生の生を受ける瞬間を生有、死の刹那を死有、生有と死有の中間を本有とし、死後次の生有までを中有とする。中陰。
    1. [初出の実例]「鮮白比丘は中有の位より衣あり」(出典:観智院本三宝絵(984)下)
    2. 「先づ中有と云て生未だ不定ぬ程は、遙なる広野に鳥獣などだに无きに」(出典:今昔物語集(1120頃か)三一)
    3. [その他の文献]〔倶舎論〕
  3. 空間。虚空。空中。
    1. [初出の実例]「片時も早く此事を、君へ言上仕らんと駻馬に鞭打ち、中有(チウウ)を走って帰ってござる」(出典歌舞伎松栄千代田神徳徳川家康)(1878)五幕)

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「中有」の意味・わかりやすい解説

中有
ちゅうう
antarā-bhava

中陰ともいう。前世の死の瞬間から次の世に生を受ける瞬間までの中間の時期 (49日間) における霊魂身とでもいうべきものをいう。 (→四有〈しう〉)

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百科事典マイペディア 「中有」の意味・わかりやすい解説

中有【ちゅうう】

中陰

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