久米仙人(読み)クメノセンニン

デジタル大辞泉 「久米仙人」の意味・読み・例文・類語

くめ‐の‐せんにん【久米仙人】

伝説上の仙人大和国竜門寺にこもり空中飛行の術を体得したが、吉野川で衣を洗う女の白いはぎに目がくらんで墜落。その女を妻として世俗に帰った。のち、遷都の際、木材の空中運搬に成功して天皇から田を賜り、久米寺を建立した。「今昔物語集」「徒然草」にみえる。

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関連語 きとう

精選版 日本国語大辞典 「久米仙人」の意味・読み・例文・類語

くめ‐の‐せんにん【久米仙人】

  1. 伝説上の人物大和国吉野郡の龍門寺にこもって空中飛行の術を学ぶが、吉野川の岸辺で洗濯している若い女の白い脛(はぎ)に見ほれ、神通力を失って墜落。その女を妻とし俗界に帰る。のち、高市郡遷都のとき、七日七夜修行、祈祷(きとう)の末材木を空中に飛ばせて運んだ功によって免田三〇町を与えられ、その地に久米寺を建てたという。「今昔物語集」巻一一第二四話、「発心集」巻四、「徒然草」第八段などにみえる。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「久米仙人」の意味・わかりやすい解説

久米仙人
くめのせんにん

伝説上の人物。大和(やまと)の竜門寺にて飛行の仙術を修行中に、吉野川の川辺に洗濯する女の雪のような白い脛(はぎ)に見ほれて墜落。その女を妻として俗界に暮らすが、のちに高市(たけち)郡に都造営のとき、材木を運ぶのに空を飛ばせた功によって免田30町を与えられ、久米寺を建立したと伝える。『今昔物語集』巻11、『発心集(ほっしんしゅう)』4、『私聚百因縁集(しじゅうひゃくいんねんしゅう)』9に収載

[渡邊昭五]

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歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典 「久米仙人」の解説

久米仙人
(通称)
くめのせんにん

歌舞伎浄瑠璃外題
元の外題
久米仙人吉野桜 など
初演
寛保3.12(京・中村座)

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「久米仙人」の意味・わかりやすい解説

久米仙人
くめのせんにん

中世の伝説上の人物。大和国竜門寺で通力を得たが,飛行中に洗濯する若い女のはぎを見て,力を失い墜落。のち行力を取戻し,大和国橿原 (かしはら) に久米寺を建てたという。

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