乗換え(読み)ノリカエ

デジタル大辞泉 「乗換え」の意味・読み・例文・類語

のり‐かえ〔‐かへ〕【乗(り)換え/乗(り)替え】

乗り物を乗り換えること。「電車の―」
自分に有利な、または好きなものへ移り変わること。「派閥の―をはかる」
手持ちの株式を売って他の銘柄を買うこと。「有利な株への―」
信用取引で、決済期限の来た建玉たてぎょくを反対先買によっていったん決済し、それと同時に再び同じ銘柄を売買すること。
交差2」に同じ。
予備の乗り物。主に馬にいう。
畠山―にのってうちあがる」〈平家・九〉
乗り換え用の馬を預かる侍。
「―一騎うち具し」〈平家・四〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「乗換え」の意味・読み・例文・類語

のり‐かえ‥かへ【乗換・乗替】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 乗りかえること。ある乗物からおりて他の乗物に乗ること。また、その場所。
    1. [初出の実例]「横須賀行は乗換(ノリカヘ)と呼ばれておるる大船の」(出典唱歌鉄道唱歌(1900)〈大和田建樹〉東海道)
  3. のりかえきっぷ(乗換切符)」の略。
    1. [初出の実例]「帰りの切符を出して、上野広小路への乗換(ノリカヘ)を貰った」(出典:青年(1910‐11)〈森鴎外〉一八)
  4. ( 古くは「のりがえ」 ) 乗りかえるためにあらかじめ用意してある乗物。予備の乗物。主として馬にいう。
    1. [初出の実例]「乗替の馬などに乗て行緩(たゆみ)て有ければ」(出典:今昔物語集(1120頃か)二五)
    2. 「此たひ乗替(ノリガヘ)引せねば」(出典:浮世草子・新可笑記(1688)二)
  5. ( 古くは「のりがえ」 ) 乗りかえるために用意した馬をあずかって乗る侍。
    1. [初出の実例]「しげどうの弓もて、煖廷(なんれう)にうちのり、のりかへ一騎うちぐし」(出典:平家物語(13C前)四)
    2. 「親忠乗替(ノリガヘ)ばかり打具して」(出典:源平盛衰記(14C前)二七)
  6. 心を他の者にうつすこと。心変わり
    1. [初出の実例]「まぶをきらるるのりかへの女郎の恨みの夜々を」(出典:浄瑠璃・津国女夫池(1721)千畳敷)
  7. 取引市場で用いる語。
    1. (イ) ある銘柄を売って他の銘柄を買うこと。
    2. (ロ) 商品取引や戦前の株式の清算取引で決済期の接近した建玉(たてぎょく)を手じまいして先物に切りかえること。
    3. (ハ) 既発債券を新規の債券に換えること。

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