乗蓮寺(読み)じようれんじ

日本歴史地名大系 「乗蓮寺」の解説

乗蓮寺
じようれんじ

[現在地名]泊村宇谷

宇谷うたに集落の南、丘陵麓に位置する。円徳山と号し、真宗大谷派。本尊阿弥陀如来。天文一三年(一五四四)正面の開山という。天正九年(一五八一)織田氏と毛利氏の戦いの兵火に遭い、伽藍はすべて焼亡したとされる。「談片泊村の昔」は、往古倭文しとり神社(現東郷町)神宮寺であったと伝える(泊村の歴史稿)。承応年間(一六五二―五五)正西のときに宮内みやうち(現東郷町)から現在地に移され、再建されたという。

乗蓮寺
じようれんじ

[現在地名]観音寺市観音寺町 春日町

臨済宗東福寺派、普門山と号し、本尊聖観音。もと興昌こうしよう寺末。寺伝によれば、九十九つくも城主細川伊予守が中洲なかず浦の美しい浜をみて大願心を発し、南北二町・東西一町の土地を選び伽藍を建立、興昌寺の日龝を迎え明応二年(一四九三)開山したという。文化四年(一八〇七)の観音寺大火の際に焼失本堂庫裏を再建したが、明治六年(一八七三)の西讃竹槍騒動の際再度火災にあい、古記録を焼失。

乗蓮寺
じようれんじ

[現在地名]三条市東裏館一丁目

宝池山と号し、時宗。本尊阿弥陀如来。「南蒲原郡寺院明細帳」によれば徳治二年(一三〇七)に創立され、開基は時宗二祖真教の弟子蓮阿多徹という。初め須頃すごろにあったが、近世初期の三条城移転によって現在地に移ったとされる。現上須頃には「乗蓮寺屋敷」という地名が残る。「時衆過去帳」には文和四年(一三五五)の日付で「重阿弥陀仏 越後三条」とあるのをはじめ「乗蓮寺」「三条乗蓮寺坊主」などの記載がみられ、南北朝時代の三条を中心とした時宗の活動がうかがわれる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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