三条市(読み)サンジョウシ

デジタル大辞泉 「三条市」の意味・読み・例文・類語

さんじょう‐し〔サンデウ‐〕【三条市】

三条

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日本歴史地名大系 「三条市」の解説

三条市
さんじようし

面積:七六・五二平方キロ

越後平野の南部に位置し、北から東にかけて加茂市、南は南蒲原みなみかんばら下田しただ村・さかえ町、西は燕市に接する。西北流する五十嵐いからし川が信濃川に合流する一帯に中心市街が位置する。市域東部には南北に東山丘陵が連なり、丘陵沿いに集落が点在する。西部には五十嵐川の扇状地と信濃川・なかくち川流域の平野が広がり、自然堤防や微高地上に集落がある。市域は五十嵐川を境に嵐北と嵐南に、そして信濃川と中ノ口川に挟まれた須頃すごろ大島おおじま地区に区分される。三条の地名は大中臣氏略系図(桐村正春家蔵)に「越後三条庄」とあるのをはじめ、「時衆過去帳」に「越後三条」、米良文書に「三条七日市場」など、中世前期の史料にみえている。

〔原始・古代〕

市域には原始時代から平安時代にかけて五〇余の遺跡がある。そのおもなものとして嵐南月岡つきおかにある月岡遺跡(先土器)、嵐北柳沢の諏訪山やなぎさわのすわやま遺跡(同上)、月岡地区丘陵地のあやまえ遺跡(縄文前期―平安)、嵐北上野原うえのはら上野原遺跡(縄文晩期)、嵐北東大崎の桐岡ひがしおおさきのきりおか遺跡(弥生中期)、嵐南長嶺ながみね地区の狐崎きつねざき遺跡(古墳前期)、嵐北上保内の三王山かみほないのさんのうやま古墳群(同上)などがあり、このほか嵐南金子の半軒屋敷かねこのはんげんやしき遺跡(古墳時代)など平野部自然堤防上に須恵器土師器を出土する地域もみられる。「和名抄」に記される蒲原かむはら郡五郷のうち、市域には勇礼いくれ小伏おふせの二郷が嵐北地域に比定される。また「延喜式」神名帳に載る蒲原郡一三座のうち、伊久礼いぐれ神社・槻田つきた神社・小布勢おふせ神社が市域の神社に比定される。宝亀一一年(七八〇)の西大寺資財流記帳(内閣文庫蔵)に記された蒲原郡槐田つきた庄も、槻田神社の所在から当市域と考えられている。

〔中世〕

平安末期から中世初頭にかけて成立したとみられる大槻おおつき庄・大面おおも庄・青海おうみ庄などが市域周辺にあったと考えられ、大崎保・粟生田あおだ保が嵐北大崎・保内地区に比定される。また一四世紀初頭に成立したとみられる、前述の大中臣氏略系図の「三条庄」は那珂氏の所領として記され、これが三条の地名の史料上の初見と考えられる。三条庄とともに大槻庄も記されており、那珂宗経の孫で承久の乱前後に活躍した実広は近藤氏を名乗り、越後の所領を相伝、その子国実は三条三郎、実村は大槻四郎左衛門尉と称したことが同系図にみえる。しかしほかに史料はなく、三条庄については不詳。「時衆過去帳」は文和四年(一三五五)一二月の日付とともに三条の重阿弥陀仏の名を記すほか、「三条乗蓮寺」などとある。


三条市
さんじようし

2005年5月1日:三条市と南蒲原郡下田村・栄恵町が合併
【下田村】新潟県:南蒲原郡
【栄町】新潟県:南蒲原郡
【三条市】新潟県

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「三条市」の意味・わかりやすい解説

三条〔市〕
さんじょう

新潟県中部,新潟平野中部から越後山脈にかけて広がる市。南東部で福島県に接する。 1934年市制。 1951年井栗村,1954年本成寺村,大崎村の2村,1955年大島村をそれぞれ編入。 2005年町,下田村と合体。中心市街地は信濃川とその支流五十嵐川の合流点に位置し,古くからの開発地で,中世には地方豪族の勢力争いの場であった。室町時代以降,越後の守護職上杉氏の重臣三条長尾氏の居城が置かれ城下町が形成されたが,江戸時代初期に廃城となって以後は信濃川の河港として,また奥州街道宿場町,市場町として発達。江戸時代中期,五十嵐川の相次ぐ氾濫のため米の不作に苦しんだ農民が和釘を製造,行商してから金物業が発展。大阪府の堺,兵庫県の三木と並んで三大金物町とされている。日用金物に加えて,洋式工具,暖房器具の製造なども行なわれる。 1967年以来工場団地建設が進められている。県下有数の米の産地で,畜産,野菜・山菜栽培も行なわれる。法華宗の総本山本成寺は日蓮の孫弟子日印の開基とされ,節分の鬼おどりは有名。上須頃地区には競馬場がある。市域の一部は越後三山只見国定公園奥早出粟守門県立自然公園に属する。上越新幹線,JR信越本線,弥彦線,国道8号線,289号線などが通り,北陸自動車道インターチェンジがある。面積 431.97km2。人口 9万4642(2020)。

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