観音寺市(読み)カンオンジシ

デジタル大辞泉 「観音寺市」の意味・読み・例文・類語

かんおんじ‐し〔クワンオンジ‐〕【観音寺市】

観音寺

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日本歴史地名大系 「観音寺市」の解説

観音寺市
かんおんじし

面積:五一・七四平方キロ

県の西端部、三豊みとよ平野のほぼ中央部に位置し、東は財田さいた川を隔てて三豊郡豊中とよなか町、東から南にかけてはいちたに川と一の谷池を境にして同郡山本やまもと町、柞田くにた川を隔てて同郡大野原おおのはら町、北は七宝しつぽう山塊の南西山麓で同郡仁尾にお町に接し、西はひうち灘に臨む。海上一二キロに伊吹いぶき島、さらに西へ一二キロ海上に円上まるがみ島・また島・小股こまた島が浮ぶ。財田川柞田川と一の谷池から流れる一ノ谷川の三河川により形成する三角洲上に市街地観音寺町、その南東部に洪積層平地(三豊平野)の農村部がある。この農村地帯に国道一一号・同三七七号および高松自動車道が貫通する。観音寺町は古くから西讃地域における交通・経済・文化の中心地として発展、産業では漁業・水産加工業が盛んで、煮干いりこはとくに有名。昭和三〇年(一九五五)三豊郡より分れて一町八村が合併して市制を施行する際、古刹神恵じんね院観音寺の寺名を市名とした。

〔原始〕

遺跡は、財田川下流の鹿隈かなくまから七宝山塊南西部の山麓に延びる扇状地形地に多い。現在確認されている市域で最も古い遺跡は高屋たかやとううちのなつめの貝塚で、縄文前期の土器(刺突文)、サヌカイト製の打製石鏃、砂岩製石錘・貝製釧・獣骨角器が出土した。弥生時代の遺跡は流水文銅鐸が発見された古川ふるかわ町古川遺跡、銅剣三口が出土した粟井あわい藤の谷ふじのたに遺跡、縄文晩期から弥生前期の土器・壺類出土の室本むろもと遺跡がある。室本遺跡からは石錘・石鏃が出土、苧扱うこく川の湿地や砂洲をひかえている場所から稲の耕作地をもつ遺跡と考えられる。このほか弥生遺跡としては、粟井町奥谷の岩鍋おくだにのいわなべ遺跡や中田井なかだい石の経いしのきよう遺跡、村黒むらぐろ町村黒遺跡がある。古墳は前期のものに財田川と竿さお川の合流点の南岸に鹿隈かんす塚古墳があり、その北西方、七宝山系の尾根の稜線部、高屋町岡東前おかひがしまえはらの緩傾斜面に箱式石棺墓が二一基以上分布している。中期の古墳は稲積いなづみ山の裾、まる山の頂上部に円墳とみられる丸山まるやま古墳、はら町に帆立貝式の青塚あおづか古墳がある。ともに九州阿蘇溶結凝灰岩製舟形石棺をもつ。後期になると三豊平野のほぼ中央部に佇立する母神山はがみやま丘陵周囲約四キロに七十数基の古墳が築造される。これらは財田川と柞田川に挟まれた低台地と氾濫原平地を生産基盤として発展した幾つかの農耕集落の構成員によって築造された古墳群である。


観音寺市
かんおんじし

2005年10月11日:観音寺市と三豊郡大野原町豊浜町が合併
【大野原町】香川県:三豊郡
【豊浜町】香川県:三豊郡
【観音寺市】香川県

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「観音寺市」の意味・わかりやすい解説

観音寺〔市〕
かんおんじ

香川県西端,三豊平野の中心地をなす市。燧灘に浮かぶ伊吹島を含む。讃岐山脈を境に南東は徳島県,南西は愛媛県に接する。 1955年観音寺町と常磐村,高室村,柞田村の3村が合体して市制。同年豊田村,粟井村の2村と紀伊村の一部,1956年一ノ谷村,伊吹村の2村を編入。 2005年大野原町,豊浜町の2町と合体。北部は丘陵地で,東から南にかけては雲辺寺山など山間部が続き,平野部にはため池が点在する。おもに煮干しいわし,干しえび,かまぼこ,ちくわなどの水産加工品を生産。周辺部では米作のほか,レタス,タマネギミカンの栽培が盛ん。繊維,農業機械,プラスチックなどの工場がある。中心市街地は財田川河口付近の自然堤防上に立地。国の名勝である琴弾公園や琴弾神社,市立郷土資料館,四国八十八ヵ所の第 68番札所神恵院 (じんねいん) ,第 69番札所観音寺がある。観音寺は金堂など国の重要文化財を多数保有する。有明浜には海水浴場や寛永通宝をかたどった銭形 (周囲 345m) の砂絵があり,一帯は瀬戸内海国立公園に属する。西の海上に浮かぶ円上島の球状ノーライトは国の天然記念物に指定。 JR予讃線,国道 11号線,377号線が通じ,四国横断自動車道の大野原インターチェンジがある。面積 117.83km2。人口 5万7438(2020)。

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