朝日日本歴史人物事典 「了翁道覚」の解説
了翁道覚
生年:寛永7.3.18(1630.4.30)
江戸前期の黄檗僧。初名は祖休。夢で製法を得た錦袋円という薬の売り上げで,江戸の不忍池畔に公開図書館(勧学寮)を造営。和漢の仏教典籍や儒書をはじめ,物語草子に至るまでの3万余巻を収め,講師を招いて講義を行った。さらに,天台,真言,禅の3宗21カ寺に『大蔵経』を寄進し,あわせて経蔵(経典を収納する建物)や維持費も寄付した。自らは質素に甘んじつつも,多くの寺院を造修築したほか,江戸や京都宇治での大火災のときには巨額を投じて救済活動に当たった。<参考文献>森本三鎧「了翁」(『禅文化』18号)
(吉田剛)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報