日本大百科全書(ニッポニカ) 「二丈」の意味・わかりやすい解説
二丈
にじょう
福岡県西端、糸島郡(いとしまぐん)にあった旧町名(二丈町(まち))。1965年(昭和40)二丈村が町制施行。2010年(平成22)前原(まえばる)市、志摩(しま)町と合併して糸島市となる。町名は背後にそびえる二丈岳(711メートル)にちなむ。脊振(せふり)山地西部の北斜面が広がり、北東部の砂丘内側には一貴山(いきさん)川の沖積低地が開け、玄界灘(げんかいなだ)に臨む。福吉(ふくよし)沖合いの羽島を含む。海岸に沿ってJR筑肥(ちくひ)線と国道202号が並走し、バイパスが1983年開通した。主産業は米、イチゴ、キュウリ、ミカンなどの栽培を中心とした農業であるが、沿岸漁業も盛んである。中心の深江(ふかえ)は唐津(からつ)街道の宿場町として栄えた。深江、大入(だいにゅう)、福吉、鹿家(しかが)などは白砂青松の海水浴場として多くの客を集め、一帯は玄海国定公園に含まれる。見どころとして竜国(りゅうこく)寺、浮嶽(うきだけ)神社、国指定史跡の銚子塚古墳(ちょうしづかこふん)がある。
[石黒正紀]
『『二丈町誌』(1967・二丈町)』