原生林がなんらかの原因で破壊されたあとに自然に再生した森林で,その破壊,再生の頻度にかかわらない。ただし,森林を伐採したあと植樹造林で成立した人工林は二次林とはいわない。二次林は天然生林と同義であるが,普通,比較的若い森林を二次林と呼ぶ傾向がある。二次林の種組成は森林の破壊の度合,気候,土壌などによって異なる。日本の暖温帯の里山は農用林として伐採や落葉の採取が行われ,地力が低下してアカマツ林となったところが多い。また,冷温帯で森林火災の跡はカンバ類の二次林となることがある。熱帯多雨林の二次林は立木密度が高く,つる植物の多いジャングルである。ジャングルとは熱帯の密林という意味に使われているが,成熟した森林というより若い二次林をさすことが多い。おもに萌芽によって再生した二次林は萌芽林とも呼ばれる。
執筆者:堤 利夫
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
… 自然状態で安定な植物群落を極相という。湿潤な日本の極相は森林であり,昔から手つかずで残されてきた極相の森林を原生林(原始林),雑木林のように人手が加わってできた森林を二次林,造林された林を人工林という。森林の国日本において原生林に近い天然林は少なくなり,とくに照葉樹林は社寺林程度しか残されていない。…
…これより再出発した群落の遷移を二次遷移secondary successionという。なお,これら遷移の途中段階にあって極相の森林でないものを二次林という。
[森林帯forest zone]
地球上には各種の森林が分布しているが,その分布の仕方には一定の基準がある。…
…原生林も天然林であるが,風や火災,あるいは伐採などで破壊されたあとに自然に放置しておいて再生した若い森林もまた天然林である。後者は天然生林または二次林ともよばれる。日本の天然林は亜高山や北海道の一部を除いて,人為的な伐採が行われながら天然に更新したものが多い。…
※「二次林」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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