日本大百科全書(ニッポニカ) 「二神島」の意味・わかりやすい解説
二神島
ふたがみじま
愛媛県北西部、忽那(くつな)諸島南西部にある島。松山市に属す。面積2.15平方キロメートル。松が多く松島ともいう。北東に諸島の中心中島、南方約8キロメートルに属島由利(ゆり)島がある。領家花崗(りょうけかこう)岩と白砂の真砂(まさ)土に松林の緑が映え、白砂青松の典型的な瀬戸内海の島であったが、最近松枯れの被害が大きい。中世には忽那水軍の一族である二神氏の本拠地であったが、帰農定着をした。近世は松山藩領で流刑の地であった。半農半漁の村で、柑橘(かんきつ)類の栽培が多く、周囲は好漁場となっている。ビャクシン自生地は県指定天然記念物。北岸の二神港から中島の神浦(こうのうら)港などへフェリーが運航する。人口197(2009)。
[深石一夫]