妙見神社(読み)みようけんじんじや

日本歴史地名大系 「妙見神社」の解説

妙見神社
みようけんじんじや

[現在地名]鳴門市撫養町林崎 北殿町

妙見山頂上付近にある。主祭神は天御中主神・事代主命。旧村社。室町幕府一〇代将軍足利義稙が周防の大内氏に身を寄せていたとき妙見信仰の影響を受け、大永元年(一五二一)淡路を経て撫養むやに移り住んだ時の創建と伝えられている。妙見信仰は北極星(北辰)・北斗七星を神格化した妙見菩薩(真言密教)を祀る信仰で、中国では宇宙の最高神とされた。日本へは平安時代末期に伝えられて、天御中主神と習合する場合が多い。北斗七星の第七星は破軍星とよばれることから、中世では武士の守護神として信仰された。山上には三好氏の武将四宮加賀守が城(撫養城・岡崎城)を構えていたが、天正一〇年(一五八二)に長宗我部元親に攻められて落城し、当社も兵火にかかって焼失したという。

妙見神社
みようけんじんじや

[現在地名]黒滝村大字粟飯谷小字妙見尾

粟飯谷あわいだにしも谷垣内たにがいと付近、粟飯谷川沿岸の丘陵上に鎮座。祭神は妙見菩薩と宇迦御魂うかのみたま神。伝承では往古妙見滝の北にある妙見平みようけんだいらに祀られていたのを遷座したという。神体を安置した厨子に「寛文三年六月三日 地下中欽言 遷座法師阿闍梨世尊寺快栄 大工吉野山子守徳之恙」とある。

妙見神社
みようけんじんじや

[現在地名]豊玉町唐洲

妙見浦に鎮座。現在は本島もとしま神社と称する。祭神は素戔嗚尊。貞享三年(一六八六)の神社誌に鎮宅霊符北辰妙見とあり、神体は木像で、祭礼は六月二日・一一月二日。天明期(一七八一―八九)の神社大帳では妙見は百済国の王子琳聖大子が投化した霊で、北辰星を祀ると記される。旧来宮司は阿比留氏で、中世まで唐洲在庁と称した旧家であった。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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