二重β崩壊(読み)ニジュウベータホウカイ

デジタル大辞泉 「二重β崩壊」の意味・読み・例文・類語

にじゅう‐ベータほうかい〔ニヂユウ‐ホウクワイ〕【二重β崩壊】

一つ原子核内で二つ中性子がほぼ同時にベータ崩壊して二つの陽子になる現象電子反電子ニュートリノを二つずつ放出する通常の二重ベータ崩壊は、1987年に初めて実験的に観測された。また、ニュートリノマヨラナ粒子である場合、ニュートリノを放出しない二重ベータ崩壊が非常に稀であるが生じる可能性が指摘されており、ニュートリノの質量を見積もる重要な知見が得られると考えられている。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「二重β崩壊」の意味・わかりやすい解説

二重β崩壊
にじゅうベータほうかい
double β-decay

放射性核種が2個の電子または2個の陽電子を放出して自然崩壊する過程。崩壊後,質量数は変わらないで,原子番号が2だけ増加 (陽電子の場合は減少) する。崩壊過程には2通りある。2個の反ニュートリノ (2個のニュートリノ) を放出する2ニュートリノ過程は発見されており,たとえば 半減期約 1021 年で へ崩壊するのはこの一例である。ニュートリノなしの過程ではレプトン数保存則が破れている。ニュートリノが0でない質量をもっている可能性がスーパーカミオカンデの大気ニュートリノ振動の観測で示され,この過程による崩壊を調べることの重要性が認識され関心が高まっている。

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