互変(読み)ゴヘン

デジタル大辞泉 「互変」の意味・読み・例文・類語

ご‐へん【互変】

ある物質固体二つ結晶形があり、一定温度転移点を境にして、一方から他方へ可逆的に変化する現象互変二形エナンチオトロピー

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

化学辞典 第2版 「互変」の解説

互変
ゴヘン
enantiotropy

エナンチオトロピーともいう.ある固体物質(単体化合物)に二つの結晶系があり,温度変化により一定温度(転移点)で一つの結晶系からほかの結晶系に可逆的に変化する現象.単体硫黄斜方晶系結晶と単斜晶系結晶は,95.5 ℃ の転移点以下および以上でそれぞれ安定形であり互変を示す.[別用語参照]モノトロピー

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「互変」の意味・わかりやすい解説

互変
ごへん
enantiotropy

固相多形間の相転移なかで,その相が出現する温度,圧力を与えれば,可逆的に実現する転移現象。硫黄が単斜晶系から斜方晶系 (またはその逆) に 95.6℃で起る相転移はこの例である。互変に対して不可逆的にしか起きない相転移を単変という。

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岩石学辞典 「互変」の解説

互変

二つの結晶構造をもつ相転移で,一つの結晶系から他の結晶系への相転移が可逆的の場合.ある物質の二種の固相が転移温度で可逆的に相転移を示す現象である[野田編 : 1977, 長倉ほか : 1998].

出典 朝倉書店岩石学辞典について 情報

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