コルト(読み)こると(英語表記)Samuel Colt

日本大百科全書(ニッポニカ) 「コルト」の意味・わかりやすい解説

コルト
こると
Samuel Colt
(1814―1862)

S&W(スミス・アンド・ウェッソン)銃器会社と並ぶアメリカ最大の銃器製造会社Colt's Patent Fire Arms. Co.(現、Colt's Manufacturing Company LLC)の創立者。コネティカット州ハートフォードに生まれる。16歳のとき船乗りになり、東インドへの航海中に独特の回転弾倉式連発拳銃(けんじゅう)(リボルバー)の特許をとり、1836年に雷管式リボルバーのパターソンモデルを製造した。以後ウォーカー(1847)、ドラグーン(1848)、ネービー(1851)、アーミー(1860)など各種リボルバーとリボルビング(回転弾倉式)ライフルを設計製造した。彼の会社は南北戦争(1861~1865)と西部開拓時代の波にのり生産は急増し、アメリカ最大の銃器会社に発展、現在でも各種拳銃をはじめライフル、機関銃の製造を続けている。

[小橋良夫]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「コルト」の意味・わかりやすい解説

コルト
Colt, Samuel

[生]1814.7.19. コネティカット,ハートフォード
[没]1862.1.10. コネティカット,ハートフォード
アメリカの兵器製造家。コルト拳銃の発明によって名高い。 16歳で家出してインドへ向う船の中でレボルバー (回転式) の木製の型をつくり,帰国すると 1831~35年に単銃身で回転式弾倉をもつコルト拳銃の試作品をつくった。 35年にイギリス,ヨーロッパの特許,36年にアメリカの特許をとった。 36年にこの拳銃をつくる会社を設立したが宣伝不足のため 42年に失敗。こののち,電気式起爆水雷や,世界で最初の水底電線を考案した。 46~48年のアメリカ=メキシコ戦争が始ると,政府からコルト拳銃の大量注文を受け,E.ホイットニーの工場で製作。 47年には自分の会社をつくった。世界で初めて流れ作業による大量生産方式と交換部品方式をつくりだし,アメリカで屈指富豪となった。

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