五家(読み)ゴケ

デジタル大辞泉 「五家」の意味・読み・例文・類語

ご‐け【五家】

中国における禅宗五つ宗派臨済曹洞そうとう潙仰いぎょう・雲門・法眼ほうげん五派
真宗の五つの本山西本願寺東本願寺仏光寺錦織きんしょく専修せんじゅをいう。五派。
五摂家ごせっけ

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「五家」の意味・読み・例文・類語

ご‐け【五家】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 五つの部門。五つの分野。五つの事柄。
    1. [初出の実例]「夫れ銭財は、五家共に有り。何をか五家といふとならば、一つには県官非理に来り問ふ〈略〉五つには悪しき子理無く費し用ゐるをいふ」(出典:日本霊異記(810‐824)下)
  3. 他に比較して著名・顕著な五つのもの。人物、家、流派などに用いる。
    1. (イ) 中国における禅宗の五つの主要な流派。臨済、曹洞、潙仰(いぎょう)、雲門、法眼(ほうげん)の五派。
      1. [初出の実例]「異朝には南宗の下に五家(ごけ)あり」(出典:神皇正統記(1339‐43)中)
    2. (ロ) 中国での浄土教の五人の祖師。曇鸞、道綽、善導、懐感、少康をいう。浄土五祖。
      1. [初出の実例]「善導等の五家(ごけ)の釈、三心の配立(はいりふ)皆信を取せて念仏一行に落居せさせんが為也」(出典:妻鏡(1300頃か))
    3. (ハ) 真宗の五つの主要な寺。東本願寺、西本願寺、仏光寺、錦織寺、専修寺をいう。
    4. (ニ) 公卿の五摂家。近衛、九条、一条、二条、鷹司をいう。
    5. (ホ) 室町中期から近世にかけての日本画の狩野派の五つの家。狩野安信中橋)、尚信(木挽町)、守信(鍛冶橋)、洞雲(駿河台)、随川(浜町)。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の五家の言及

【臨済宗】より

…禅宗五家(ごけ)の一つ。中国唐代の禅宗は,大別して玉泉神秀(ぎよくせんじんしゆう)の北宗禅と曹渓慧能(そうけいえのう)の南宗禅の2流に分けられるが,漸悟を説く北宗禅は早く衰微した。…

※「五家」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

ビャンビャン麺

小麦粉を練って作った生地を、幅3センチ程度に平たくのばし、切らずに長いままゆでた麺。形はきしめんに似る。中国陝西せんせい省の料理。多く、唐辛子などの香辛料が入ったたれと、熱した香味油をからめて食べる。...

ビャンビャン麺の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android