五悪(読み)ゴアク

デジタル大辞泉 「五悪」の意味・読み・例文・類語

ご‐あく【五悪】

仏語。教えに背く五つ悪事殺生せっしょう偸盗ちゅうとう邪淫じゃいん妄語もうご飲酒おんじゅ。→五戒ごかい

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精選版 日本国語大辞典 「五悪」の意味・読み・例文・類語

ご‐あく【五悪】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 五つの悪。〔春秋左伝‐襄公二八年〕
  3. 仏語。五つの不善殺生(せっしょう)偸盗(ちゅうとう)、邪婬(じゃいん)妄語(もうご)両舌悪口綺語を含む)、飲酒(おんじゅ)の五つ。〔無量寿経‐下〕

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「五悪」の意味・わかりやすい解説

五悪
ごあく

仏教信者が出家在家を問わず、つねに守るべき五戒に相反する五つの悪。殺生(せっしょう)(生物を殺すこと)、偸盗(ちゅうとう)(盗むこと)、邪婬(じゃいん)(配偶者以外のものと性関係をもつこと)、妄語(もうご)(嘘(うそ)をつくこと)、飲酒(おんじゅ)(酒を飲むこと)をいう。

[松本史朗]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「五悪」の意味・わかりやすい解説

五悪
ごあく

仏教用語。在家の仏教信者が保つべき五戒を守らないことで,殺生,偸盗,邪淫,妄語,飲酒 (おんじゅ) の5種の悪行をさす。特に『大無量寿経』巻下に五悪段として説かれている。また,中国では,儒教不仁不義,不礼,不智,不信の5つの悪事を五悪と呼ぶ場合がある。

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世界大百科事典(旧版)内の五悪の言及

【罪】より

… 仏教における罪は法(ダルマ)にそむく行為,戒律に反する行為であり,その代表的なものが〈五逆〉ないし〈五逆罪〉である。すなわち(1)母を殺すこと,(2)父を殺すこと,(3)僧(阿羅漢)を殺すこと,(4)仏の身体を傷つけること,(5)教団の和合一致を破壊することの5種の罪をいい,無間(むげん)地獄に堕ちる罪であるから〈五無間業(ごむげんごう)〉ともいうが,これは基本的には同じ仏教でいう〈五悪〉(または〈十悪〉)や,キリスト教でいう〈七大罪seven deadly sins〉などと同じく道徳的規範に反する罪悪に属する。ところがのちになると,人間存在そのものが罪に覆われたものであるとの自覚があらわれ,それが極楽や地獄などの他界観や応報思想と結びついて浄土教的な罪業観が生じた。…

※「五悪」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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