井上角五郎(読み)イノウエ カクゴロウ

新訂 政治家人名事典 明治~昭和 「井上角五郎」の解説

井上 角五郎
イノウエ カクゴロウ


肩書
衆院議員(政友本党),日本製鋼所創立者,北海道炭礦鉄道専務

生年月日
万延1年10月(1860年)

出生地
広島県深安郡

学歴
慶応義塾〔明治15年〕卒

経歴
明治15年朝鮮政府顧問となり、甲申政変後の19年帰国。20年渡米。21年帰国して後藤象二郎らの大同団結運動に参加、大同新聞の記者となった。23年第1回衆議院選挙で当選、以後13回当選。26年北海道炭礦鉄道に入り32年専務、39年北海道人造肥料社長となり40年日本製鋼所を設立会長となった。大正5年京都電気鉄道会長、6年日東製鋼会長、8年日本ペイント会長など各社の社長、会長を歴任した。多くの炭鉱や鉄道の開発・整備に辣腕をふるい、“井の角さん”と呼ばれた名物男だった。

没年月日
昭和13年9月23日

出典 日外アソシエーツ「新訂 政治家人名事典 明治~昭和」(2003年刊)新訂 政治家人名事典 明治~昭和について 情報

20世紀日本人名事典 「井上角五郎」の解説

井上 角五郎
イノウエ カクゴロウ

明治〜昭和期の実業家,政治家 日本製鋼所創立者;北海道炭礦鉄道専務;衆院議員(政友本党)。



生年
万延1年10月(1860年)

没年
昭和13(1938)年9月23日

出生地
広島県深安郡

学歴〔年〕
慶応義塾〔明治15年〕卒

経歴
明治15年朝鮮政府顧問となり、甲申政変後の19年帰国。20年渡米。21年帰国して後藤象二郎らの大同団結運動に参加、大同新聞の記者となった。23年第1回衆議院選挙で当選、以後13回当選。26年北海道炭礦鉄道に入り32年専務、39年北海道人造肥料社長となり40年日本製鋼所を設立、会長となった。大正5年京都電気鉄道会長、6年日東製鋼会長、8年日本ペイント会長など各社の社長、会長を歴任した。多くの炭鉱や鉄道の開発・整備に辣腕をふるい、“井の角さん”と呼ばれた名物男だった。

出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報

改訂新版 世界大百科事典 「井上角五郎」の意味・わかりやすい解説

井上角五郎 (いのうえかくごろう)
生没年:1860-1938(万延1-昭和13)

政治家,実業家。広島県出身。号は閔泳翊(びんえいよく)から贈られ,琢園という。1882年慶応義塾卒業後,83年福沢諭吉指示で朝鮮政府の外衙門顧問,博文局主任となり,同年10月,朝鮮初の近代的な官報兼新聞《漢城旬報》(旬刊漢文)を創刊。さらに姜瑋の協力を得て朝鮮語と漢字の混用文を創出し,86年1月創刊の《漢城周報》(週刊)にはじめて公式に用いた。この間,84年の甲申政変にも関与し,金玉均らと一時日本に逃れている。後,京釜鉄道南満州鉄道の設立にもかかわった。
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百科事典マイペディア 「井上角五郎」の意味・わかりやすい解説

井上角五郎【いのうえかくごろう】

政治家,実業家。広島県出身。1882年慶応義塾卒業後,福沢諭吉の指示で朝鮮に渡り,朝鮮初の近代的新聞《漢城旬報》の創刊に尽力,また朝鮮の開化派(独立党)と密接な関係をもち,1884年の甲申政変に関与した。1887年帰国。1890年第1回衆議院議員選挙の補欠選挙で当選し,1920年の第14回総選挙まで連続当選。この間,室蘭に日本製鋼所を創業,多くの会社役員を務め,満鉄設立にもかかわるなど実業界でも活躍した。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「井上角五郎」の意味・わかりやすい解説

井上角五郎
いのうえかくごろう
(1860―1938)

政治家、実業家。広島県福山市出身。号は琢園(たくえん)。1882年(明治15)慶応義塾を卒業し、福沢諭吉の勧めで朝鮮政府の顧問となった。1883年10月に『漢城旬報』(旬刊、漢文)を、1886年1月に『漢城周報』(週刊)をそれぞれ創刊した。漢城とはソウル(京城、都(みやこ)の意)の正称。『旬報』は朝鮮における最初の近代的な官報兼新聞。『周報』では、姜瑋(きょうい)の協力を得て創出した朝鮮文字と漢字の混用文を初めて用いた。これ以後、朝漢混用文が普及した。また、1884年12月に起きた金玉均らの甲申(こうしん)政変にも関与した。帰国後は、1890年から衆議院議員を14期務め、北海道炭鉱鉄道専務、日本製鋼社長、日本ペイント会長を歴任した。そのほか、京釜(けいふ)鉄道、南満州鉄道の設立にもかかわった。

[原田 環]

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「井上角五郎」の解説

井上角五郎 いのうえ-かくごろう

1860-1938 明治-昭和時代前期の実業家,政治家。
万延元年10月18日生まれ。福沢諭吉のすすめで明治15年朝鮮政府顧問となり,16年「漢城旬報」の創刊に協力,17年の甲申(こうしん)事変に関与する。23年衆議院議員(当選14回)となり政友会,政友本党に所属。北海道炭礦(たんこう)鉄道専務,日本製鋼所会長などを歴任した。昭和13年9月23日死去。79歳。備後(びんご)(広島県)出身。慶応義塾卒。

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