六訂版 家庭医学大全科 「交感性眼炎」の解説
交感性眼炎
こうかんせいがんえん
Sympathetic ophthalmia
(眼の病気)
どんな病気か
ぶどう膜が損傷するような外傷を受けた人のなかで、受傷したほうの眼だけでなくその反対の眼にも炎症が起こることがあります。両眼の視力低下を来すため、古くから恐れられている疾患です。まれに手術後に起こることもあります。
原因は何か
色素細胞が、外傷をきっかけに免疫系にさらされることにより、色素に富んだぶどう膜に対する自己免疫反応が起こると考えられています。色素細胞に対する自己免疫反応という意味では、原田病と同じ病態であり、経過も似ていますが、外傷がきっかけになる点で区別されます。
症状の現れ方
原田病とほぼ同様の症状を示します。
検査と診断
原田病と同様に
治療の方法
原田病の治療に準じて、ステロイド薬の大量点滴あるいはパルス療法が行われます。免疫抑制薬が使われる場合もあります。
受傷した眼の視機能の回復がまったく期待できない場合には、本症の発症を予防するために、受傷した眼球を摘出することもあります。
病気に気づいたらどうする
治療の開始時期が遅れると視力の回復が望めない場合もあるので、早めに治療を受けることが重要です。
関連項目
河本 知栄, 喜多 美穂里
出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報