2変数x,yについての複素数係数の既約多項式F(x,y)が与えられたときに,F(x,y)=0によってyをxの多価関数と考えたものをxの代数関数という。yに関するF(x,y)の次数をnとすると,一般の複素数値xに対して,yはn個の異なる値をとる。例えば,はF(x,y)=y2-x2-1により定まる代数関数であり,xは複素数を動くのでこれは2価関数である。のところではyの値は0だけであるが,その他ではつねに値が二つずつある。F(x,y)のyに関する次数nが1のときはyはxの有理関数であり,このときのみ1価関数である。
代数関数は有理関数の場合を除けば多価関数であるが,リーマン面を導入することによって多価性を幾何学的にとらえることができる。代数関数が一つ与えられるとそれより閉リーマン面が一意的に定まる。有理関数に対応するリーマン面はリーマン球面であり,に対応するリーマン面もリーマン球面である。
執筆者:上野 健爾
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