xの関数y=f(x)があるとき,その値域に属するyのおのおのの値に対して,y=f(x)となるxがただ一つ定まる場合,xをyの関数と考えてx=f⁻1(y)と書き,f⁻1をfの逆関数という。例えばf(x)=\(\sqrt{x}\)の逆関数はf⁻1(x)=x2である。fの定義域,値域ともに実数の集合の場合は,fが狭義単調(fにおいてx1<x2ならば,f(x1)<f(x2),またはf(x1)>f(x2)が成り立つ)ならば逆関数f⁻1が存在する。同じ直交座標系に関して,y=f(x)のグラフとy=f⁻1(x)のグラフとは,直線y=xに関して対称である。
なお,yの値に対してy=f(x)となるxの値がただ一つでない場合,すなわちxがyの多価関数となる場合も,その多価関数をもとの関数fの逆関数という。
執筆者:伊藤 清三
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ある数yが、他の数xの変化に伴って変化するとき、yをxの関数といい、y=f(x)で表す。この逆向きの対応を考えて、y=f(x)の関係があり、その値域に属するyの変化に伴って、xの値がただ一つ定まるとき、これを逆関数という。y=f(x)の逆関数はx=f-1(y)で表す。一般にy=f(x)の逆関数を求めるには、これをxについて解いてx=g(y)の形とし、ここでxとyを入れ替える。こうして、逆関数y=g(x)が定まる。たとえば、y=2x-3の逆関数を求めるには、
とすればよい。同様に、定義域をx≧0とした場合のy=x2の逆関数は、y=であり、指数関数y=ax(a>0, a≠1)の逆関数は、対数関数y=logaxである。y=f(x)のグラフとy=f-1(x)のグラフは、直線y=xに関して互いに対称である。
[竹之内脩]
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