コトバンクはYahoo!辞書と技術提携しています。

仮象 カショウ

百科事典マイペディアの解説

仮象【かしょう】

英語appearance,ドイツ語Scheinなどの訳。現実あるいは実在に対する。実在するよに見えながら,それ自体は実在性をもたない形象のこと。思惟(しい)によってとらえられるものを実在とする立場では感覚的世界は仮象。現象と同義に用いられることもあるが,カントは経験的実在性をもつ現象に対して,仮象はまったく主観的な表象にもとづくものとして区別した。

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

大辞林 第三版の解説

かしょう【仮象】

実際に存在するように感覚に現れながらも、それ自身客観的な実在性をもたない形象。

出典 三省堂大辞林 第三版について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

仮象
かしょう
appearance英語
apparenceフランス語
Scheinドイツ語

それ自体現実的でないにもかかわらず、現実的であるかのような「見かけ」を示すものをさす用語。一方でまったく現実を離れた幻想あるいは幻覚と、他方で現実と結び付いた現象と区別されるが、それぞれの境界は、かならずしも明瞭(めいりょう)ではない。何を仮象とみるかは、それに対立する現実的なものとして何を考えるかによって決まり、したがって、その場面に応じて、さまざまな仮象が考えられる。
 知覚の現実的対象に対するものとしては心理的仮象が、日常生活の現実に対するものとしてはシラーの説く美的仮象が、人間理性の限界に対してはカントの説く超越論的仮象などが、その例としてあげられる。仮象は、このように、それぞれの場面に応じて、すでになんらかの意味で定められた現実からの逸脱として負(ふ)の評価を受けるか、それとも現実を超えた理想的価値を志向するものとして正の評価を受けるかするのである。[坂部 恵]
『カント著、篠田英雄訳『純粋理性批判』(岩波文庫)』

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

仮象の関連キーワードブラッドリー(Francis Herbert Bradley)フラーンシス・ハーバード ブラッドリーガイザー(Gerd Gaiser)ランゲ(Konrad Lange)ディオニソス的・アポロン的イギリス・ヘーゲル学派イグナティオスの手紙カント哲学の基本概念感覚論(哲学用語)ニュー・レフトシュニッツラーイッヒ・ロマンシェークスピア浪漫的イロニー在りし日の歌ウェルフェルドケティズムブラッドリーパルメニデス純粋理性批判

今日のキーワード

グランピング

「グラマラス(Glamorous)」と「キャンピング(Camping)」を掛け合わせた造語で、ホテル並みの設備やサービスを利用しながら、自然の中で快適に過ごすキャンプのこと。従来型のキャンプとは一線を...

続きを読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android

仮象の関連情報