佐治賢使(読み)さじただし

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「佐治賢使」の意味・わかりやすい解説

佐治賢使
さじただし

[生]1914.1.1. 岐阜
[没]1999.6.14. 千葉,市川
漆芸家。本名は正。 1938年東京美術学校 (現・東京芸術大学) 漆工科卒業。 36年文展に入選,43年新文展で特選受賞戦後は発表の場を日展に移し,46年,47年と連続特選,51年審査員賞,58年『追想スクリーン』で文部大臣賞を受賞し会員となる。 61年『二曲屏風 都会』で芸術院賞を受賞するとともに,現代工芸美術家協会の設立に参画。さらに 78年日本新工芸家連盟創設に参加し代表委員となる。 81年芸術院会員。色漆金蒔絵螺鈿卵殻などさまざまな技法を用いて,伝統的な様式美に現代的,絵画的な色彩を加味した作風を樹立した。題材には動植物のほか都会の風景なども含まれる。 89年文化功労者。 95年文化勲章受章

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「佐治賢使」の意味・わかりやすい解説

佐治賢使
さじただし
(1914―1999)

漆芸家。岐阜県生まれ。1938年(昭和13)東京美術学校(現東京芸術大学)工芸科を卒業後、石川県立工芸学校での教職生活を経て、漆芸家として独立。1958年『追想スクリーン』で日展文部大臣賞、1961年『都会』で日本芸術院賞を受賞。日本的伝統美に現代的センスと高度な描写力で自然の神秘や美しさを表現し、漆芸に新たな創造的世界を開花させた。日展顧問。1981年日本芸術院会員。1984年文化功労者、1995年(平成7)文化勲章を受章。

[編集部]

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「佐治賢使」の解説

佐治賢使 さじ-ただし

1914-1999 昭和-平成時代の漆芸家。
大正3年1月1日生まれ。東京美術学校(現東京芸大)在学中の昭和11年帝展に入選。21年・22年日展特選。色漆や螺鈿(らでん)など多彩な技法による作品を発表。36年二曲屏風(びょうぶ)「都会」で芸術院賞。53年日本新工芸家連盟の結成に参加。56年芸術院会員。平成7年文化勲章。平成11年6月14日死去。85歳。岐阜県出身。本名は正。

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