佐羽吉右衛門(読み)さば・きちえもん

朝日日本歴史人物事典 「佐羽吉右衛門」の解説

佐羽吉右衛門(3代)

没年:明治1.10.20(1868.12.3)
生年:文化3.3.1(1806.4.19)
江戸後期上野桐生(群馬県桐生市)の絹買継商。佐羽家を両毛随一の買継商にしたのは,この3代吉右衛門であった。幼名は慶次郎。17歳で家業を継いだ吉右衛門は桐生機業界刷新のため織機を改良し,名手を募り,精巧かつ新奇な織物を織らせ,数年にして桐生を西陣に対抗しうるまでの大絹織物産地にした。天保年間(1830~44)には足利,伊勢崎,江戸に出張店を設け,開港後は輸入綿糸を使って唐桟縞を織らせた。勤倹力行の人で,「常に赤色方嚢を腰にし,藁草履をはいて徒歩」したが,困窮者への施しは惜しまなかった。明治29(1896)年,佐羽商店は放漫経営のため倒産,両毛機業に深刻な打撃を与えた。<参考文献>桐生織物史編纂会『桐生織物史人物伝』

(古庄正)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「佐羽吉右衛門」の解説

佐羽吉右衛門(2代) さば-きちえもん

1772-1825 江戸時代後期の商人,漢詩人。
明和9年3月10日生まれ。上野(こうずけ)(群馬県)の人。初代吉右衛門の養子となり,文化7年2代をつぎ絹仲買商を発展させ,上州三富豪の一つにそだてる。学をこのみ,漢詩をよくした。文政8年7月4日死去。54歳。名は芳。幼名は安之助。字(あざな)は蘭卿。号は淡斎。著作に「淡斎詩集」。
格言など】他人に損をさせず,己を益すること薄利多売,共存共栄(家訓)

佐羽吉右衛門(3代) さば-きちえもん

1806-1868 江戸時代後期の商人。
文化3年3月17日生まれ。2代吉右衛門の長男。上野(こうずけ)(群馬県)桐生(きりゅう)の絹仲買商。文政8年3代をつぐ。足利(あしかが),伊勢崎に出張店をもうけ,江戸や横浜にも店をだし家業を拡大した。明治元年10月20日死去。63歳。名は澄。幼名は慶次郎。字(あざな)は秋江。号は竹香

佐羽吉右衛門(初代) さば-きちえもん

1737-1816 江戸時代中期-後期の商人。
元文2年11月2日生まれ。家は代々上野(こうずけ)(群馬県)で絹仲買をいとなむ。明和2年独立,8年吉右衛門を名のる。家業を拡大し桐生(きりゅう)の富豪となり佐羽商店の基礎をきずいた。文化13年6月25日死去。80歳。幼名は佐吉郎。号は道西。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

367日誕生日大事典 「佐羽吉右衛門」の解説

佐羽吉右衛門 (さわきちえもん)

生年月日:1737年11月2日
江戸時代中期;後期の商賈
1816年没

出典 日外アソシエーツ「367日誕生日大事典」367日誕生日大事典について 情報

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