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体細胞クローン タイサイボウクローン

デジタル大辞泉の解説

たいさいぼう‐クローン〔タイサイバウ‐〕【体細胞クローン】

皮膚や臓器など特定の組織に分化した体細胞を用いて遺伝的に同一の個体を作りだすクローン技術。皮膚や乳腺などの体細胞から取り出した核を、別の個体から採取し核を取り除いた卵細胞に移植して再構築胚を作製し、さらに仮親となる別の個体に移植して作る方法が一般的。
[補説]体細胞クローン動物は出生前後や若齢期の死亡率が高い。これは、再構築胚が十分な全能性(生体を構成するすべての細胞に分化する能力)を獲得していないために起こると考えられている。

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朝日新聞掲載「キーワード」の解説

体細胞クローン

核を取り除いた未受精卵に、コピー元となる動物の皮膚や筋肉などの体細胞の核を移植して代理母の子宮に移し、出産させる。哺乳(ほにゅう)類では96年に英国で、クローン羊「ドリー」が初めて誕生した。世界初のクローン牛は近畿大と石川県畜産総合センターが98年につくり、昨年9月末現在、民間も含め国内42研究機関で511頭が生まれている。コピー元の遺伝情報をそっくり受け継ぐため、高品質の家畜の増産などにつながると期待されるが、死産などの発生率が高く、肉や乳などが市場に出回った例は世界的にもないとされる。クローン技術には「体細胞クローン」のほか、分割した受精卵の核を使う「受精卵クローン」もある。昨年9月末現在、国内43研究機関が受精卵クローン牛707頭を生産している。一卵性の双子と同じ原理でつくられており、「安全性に問題はない」として306頭が食肉として出荷された。ただコスト高などから、一般農家には広がっていない。

(2007-04-08 朝日新聞 朝刊 2総合)

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

体細胞クローン
たいさいぼうくろーん

哺乳(ほにゅう)類の成体(大人)の体細胞から生まれたクローン。体細胞としては、乳腺細胞、卵管細胞などが使われている。1997年2月に発表されたイギリスのクローン羊が世界初(誕生は96年)。1998年(平成10)7月には日本で、体細胞クローンによる初のクローン牛が誕生した。クローンとは遺伝的に同一の個体や細胞の集合をさすが、ウシなどの哺乳類のクローンの作出方法の一つとして体細胞を使う方法がある。優れた特性、たとえばウシの場合であれば良質の肉質や高乳生産量のウシを親と定め、その親牛の体細胞をドナーとして、ドナー細胞に特殊な処理をした後に核だけを取り出し、未受精卵の核を除いたところに核移植してクローンを作出する。つまり、受精というプロセスを含まない無性生殖のために、ドナーと同じ遺伝子特性が後代のクローンに受け継がれるはずである。こうして生まれたクローン動物は、高い品質の家畜の生産や実験動物などの分野で応用可能であり、世界的に研究開発が進んでいる。しかし、動物によっては、作出の成功率や食用を目的とした場合の安全性の確認など、未解決の課題もある。[飯野和美]

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