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作業研究 さぎょうけんきゅうwork study

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

作業研究
さぎょうけんきゅう
work study

作業の内容,方法などを科学的に分析,解析すること。作業の改善,効率化,機械化などを目的としている。人間が行う作業を,動作と時間の2要素に分けて研究する。前者動作研究後者時間研究である。 F.W.テーラー以後の科学的管理論者によって唱えられた。

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百科事典マイペディアの解説

作業研究【さぎょうけんきゅう】

工場や事務所における労働者の作業過程,動作,結果などの科学的な研究。20世紀初め,企業の科学的管理法の重要な部分としてF.W.テーラーギルブレスらによって基礎が確立された。
→関連項目インダストリアル・エンジニアリング

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世界大百科事典 第2版の解説

さぎょうけんきゅう【作業研究 work study】

人および機械などの作業手段が対象体をある状態から他の状態へ変えるために行う活動を作業といい,作業手段とこの作業活動を作業システムという。作業システムの優秀性は,生産課題に対しての品質性能,コスト性能,生産能力性能が優れていること,故障しにくく保全性がよいこと,品種切替えが容易なこと,床面積が小さく空間占有が少ないこと,安全・快適・美観など人間性性能が優れていることによって決まる。この優れた作業システムの実現が作業研究の課題である。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

作業研究
さぎょうけんきゅう
work study

一定の品質、数量の製品をできるだけ経済的に生産するために、生産に必要な作業や工程などについて、主として実際の作業に従事している人間の側から調査・研究すること。同じことを物の側から調査・研究する工程研究と区別される。作業研究はワークスタディ、動作・時間研究、ないしは方法技術ともよばれ、インダストリアル・エンジニアリング(IE)の基本的な技法の一つである。その目的は、合理的な作業動作の探求、作業方法、資材・設備・工具の改善と標準化、標準作業量と標準作業時間の決定、これらを基礎とした作業者の訓練にある。
 作業研究の起源は、科学的管理法の始祖といわれるF・W・テーラーによるシャベル作業の研究、同じく動作研究の創始者であるF・B・ギルブレスによる煉瓦(れんが)積み作業の研究に求められるが、彼らの研究の背景には次のような理念があった。すなわち、どのような作業にも、もっとも能率のよい科学的方法といったものがあるはずである。これには作業方法の標準化、工具・設備などの標準化などが含まれる。また、作業員にはこれに基づいた最良の作業方法を十分に訓練させ、さらに適切な報償制度によって作業の動機づけ(モチベーション)を与えてやることが必要である。
 作業研究はこのような考え方に基づいて、一つには、現在の仕事のやり方および将来の仕事のやり方の双方について、系統的に記録、分析、検討を行い、効果的な作業方法をみいだそうとする方法研究と、二つに、特定の仕事の作業内容を設定するために、各種の方法を適用して、標準的な作業時間を決めようとする作業測定の二つの技法が含まれる。そしてこれらの二つの技法は密接に結び付いており、つねに融合して適用される。
 方法研究は、まず改善すべき仕事は何かを明らかにすることから始められる。そのためには原価や不良率などの分析とともに、仕事上の問題点を現場から吸い上げる努力が必要である。次に研究対象となった仕事の分析が行われる。分析には各種の方法が用いられるが、おもなものに次のようなものがある。(1)作業の経過や諸条件の変化を時間的に分析し、所要時間の変動の原因をつかみ、改善のよりどころとする時間研究、(2)作業者の動作をいくつかの要素に分解し、分析して、むだな動作をできるだけなくして、標準動作を設定しようとする動作研究、(3)フィルムを用いての分析、(4)MTM法(method time measurement)、ワーク・ファクター法(WF法)、DMT法(dimensional motion time)などのPTS法(predetermined motion time system、予定動作時間法)、である。次に、これらの方法による分析結果に基づいて改善策が案出される。そして最後に、選択された改善案が実施され、それが期待どおりの効果をもたらしているかどうかがチェックされる。
 作業測定は、時間研究が中心である。従来はストップウォッチが用いられたが、これは測定者の自主的判断にゆだねられる部分が多く、標準時間の設定に不確実性を伴うため、最近は、あらかじめ標準時間を定めておいて、特定の作業について、それらの基本的標準時間を見積もろうとする、前述のPTS法が用いられる。[高橋三雄]
『並木高矣・倉持茂著『作業研究』(1984・日刊工業新聞社) ▽川島正治著『作業研究と作業管理』(1984・日本能率協会)』

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