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労働災害 ろうどうさいがい industrial accidents

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

労働災害
ろうどうさいがい
industrial accidents

作業環境,作業行動などの業務上の事由によって発生する労働者の負傷,疾病,死亡をいう。ただし狭義には,突発的な事故が発生した結果生じたものに限定され,徐々に発生する職業病とは区別されている。

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デジタル大辞泉の解説

ろうどう‐さいがい〔ラウドウ‐〕【労働災害】

労働者の就業にかかわる建設物・設備・原材料・粉塵(ふんじん)などにより、または作業行動その他業務に起因して、労働者が負傷し、疾病にかかり、または死亡すること。

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百科事典マイペディアの解説

労働災害【ろうどうさいがい】

労災と略される。工場,事業場等で作業中の事故により労働者の受ける疾病,傷害,死亡等の災害。発生形態で職業病と区別されるが,それも含める考え方もある。一般に事故は労働者の過失・不注意からひき起こされるというより,使用者の保安対策の欠如や労働条件の劣悪等に起因する場合が多い。
→関連項目過労死災害補償労働衛生

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人事労務用語辞典の解説

労働災害

労働者が業務中や通勤途中に、事故や災害などによって、負傷したり、疾病にかかったり、障害が残ったり、死亡したりした場合、これを労働災害(労災)といいます。労災を被ったすべての労働者には、労働者災害補償保険(労災保険)が適用され、労働者本人およびその家族の生活の安定を保障するために必要な保険給付が行われます。正社員パートアルバイトなどの雇用形態にかかわらず、一人でも労働者を使用する事業主は、原則として労災保険への加入を義務づけられています。
(2010/5/24掲載)

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世界大百科事典 第2版の解説

ろうどうさいがい【労働災害 labour accident】

労働過程に伴って発生する労働者自身がうける災害をいう。統計上は区別する国が多いが,通勤途上の災害をも労働災害に準じて扱うのが世界的傾向となっている。また,三池炭鉱ガス爆発にもとづいて発生した一酸化炭素中毒のようなものをも含んでおり,〈業務上の負傷〉よりも範囲が広い。
[発生要因]
 労働災害は産業革命後激増してきたが,個々の労働災害は以下のようないくつかの要因の組合せによって発生していることが多い。(1)安全でない生産手段の使用 危険な機械を安全装置なしに使用するとか,爆発の危険のあるガスの爆発を防御する適切な措置を欠くなどの例が数多い。

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大辞林 第三版の解説

ろうどうさいがい【労働災害】

労働者が業務に起因して被った負傷・疾病・死亡などの災害。労災。

出典|三省堂
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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

労働災害
ろうどうさいがい
labour accident

労働安全衛生法(昭和47年法律57号)第2条によると、労働災害とは、「労働者の就業に係る建設物、設備、原材料、ガス、蒸気、粉じん等により、又は作業行動その他業務に起因して、労働者が負傷し、疾病にかかり、又は死亡することをいう」と定義され、業務上疾病つまり職業病をも含めた広義の概念が採用されている。一方、狭義には、職業病の対語として、業務遂行上の事故に伴う負傷および死亡を限定的に労働災害とよぶ。一般に広狭両義が用いられるが、ここでは狭義の労働災害について述べる。[重田博正]

発生要因

災害発生の直接的要因を大別すれば物的条件(物的要因)と人的条件(人的要因)に分けることができる。物的条件には、機械・装置・工具などの不備・不良、有害危険物の取扱い、採光・照明・温度・騒音など作業環境の不適切、作業場の整理整頓(せいとん)、作業衣・保護具の不備などがあげられる。一方、人的条件としては、労働条件、健康状態、整備点検・安全教育の有無、知識や経験の不足・未熟練、疲労、その他心身の状態、作業適性、不注意などがあげられる。
 これらの要因は複合的に作用し、災害発生の原因となることが多いが、とくに重要な要素は物的条件と労働者の疲労である。たとえば、作業中のミスや不注意は人間にとって不可避であるともいえるが、機械に安全装置が完備されていれば災害は防止できる。安全立法の大部分の内容が技術的対策にあてられているのは、物的条件整備の重要性のためである。また労働者の疲労は、作業動作の乱れを生み、機敏性を低下させ、注意力を散漫にする。したがって、労働時間が長くなると、時間の延長された割合以上に災害率は高まるし、また1日の災害発生状況では、作業テンポの速い時間帯や労働者の疲労が高まるころに多発傾向があるといわれている。このように考えると労働災害の防止には、物的諸条件の安全性確保とともに、安全教育をはじめとする安全管理体制の整備、労働者を疲労蓄積状態におかないための労働条件、生活条件の改善も必要である。[重田博正]

発生状況

1998年(平成10)の労働災害による死傷者数は57万6664人(労働者災害補償保険新規受給者数)である。第二次世界大戦後における発生状況の推移を死亡者数についてみると(死傷者数については1973年以降、指標が「休業8日以上」から「休業4日以上」に変化しており、長期間の比較には適さない)、経済の高度成長期にあたる1960年から70年までの10年間は毎年6000人台で増減を繰り返し、低成長期に入ると急速に減少傾向を示した。しかし76年に3345人になって以降は減少のテンポが鈍化している。1999年の発生状況は、休業4日以上死傷者数13万0100人、死亡者数1992人となっているが、これらを産業別にみると、休業4日以上死傷者数では製造業が3万7000人でもっとも多く、ついで建設業3万3400人、陸上貨物運送事業1万3800人の順となっている。また死亡者数では建設業が794人で全体の4割を占め、ついで製造業344人、陸上貨物運送事業270人の順となっている。
 そのほか発生状況には以下の諸点が特徴として指摘できる。
(1)一時に3人以上の死傷者を伴う「重大災害」の件数には減少傾向がみられるが、反面、その大規模化傾向が指摘できる。業種別にみると化学工業や造船業における爆発事故、建設業における土砂崩壊、仮設構造物などの倒壊による重大災害が目だっている。
(2)従来から指摘されている中小零細事業所における災害多発傾向が改善されていない。1999年(平成11)における、休業4日以上の死傷者数を事業所の規模別にみると、規模100人未満の事業所で全体の約78%を占めている。また、労働災害の頻度を示す指標である度数率(100万延べ実労働時間当りの労働災害による休業1日以上の死傷者数)を事業所規模別(全産業)にみると、100~299人の事業所が2.46%、300~499人の事業所が1.96%、500~999人の事業所が0.94%、1000人以上の事業所が0.46%となっており、小規模事業所での災害多発傾向が顕著である(労働省「労働災害動向調査」1999年)。
(3)第三次産業の就業人口が増加しているなかで、とくにビルメンテナンス(建物の維持管理)、廃棄物処理業を含むサービス業における災害多発が注目される。労働災害の頻度を示す度数率を1999年についてみると、サービス業は3.65%で、運輸・通信業の4.54%に次いで第2位になっており、製造業の1.02%よりかなり高率になっている(企業規模100人以上。労働省「労働災害動向調査」)。
(4)就業人口の高齢化は今後とも進行することが予測されるが、年齢階層別災害被災率では、40歳代以降加齢とともに被災率の高まる傾向が指摘されている。加齢現象として視力、聴力、平衡感覚、反応速度などの諸機能の低下が避けられないものとすれば、労働力の高齢化に対応した安全対策が必要である。
(5)マイクロエレクトロニクス機器の導入など工場のME化が進行するなかで、労働災害の分野でも新しい問題が発生している。労働省時代の1982年に行われた「産業用ロボットの労働災害等に関する実態調査」によれば、190調査対象事業所において、ロボットとの接触などにより2件の死亡災害を含む11件の労働災害が発生している。また災害には至らないいわゆるニアミスは37件も報告されている。当時ロボット開発の歴史はまだ浅く、故障や誤作動の際の安全装置や制御装置の研究に不十分さが指摘されたが、そのほかにも労働災害は増加傾向にあり、このような状況を受けて、1983年労働安全衛生規則の一部改正が行われた。産業用ロボットを扱う際の危険防止対策およびそのための特別教育が義務づけられた。労働安全衛生法第59条には、安全衛生教育の義務について定められている。新たな技術導入に対応した安全衛生の確保が重要である。
(6)パートタイマーやアルバイト、派遣労働者などいわゆる不安定雇用が増大しているが、彼らが被災するケースも目だつ。技術教育や安全教育が不十分なまま就労していることや、若年層や高齢者あるいは女性の危険有害作業就労もその背景として指摘できる。また、1980年代後半以降急増している外国人労働者の労働災害問題も大きな課題となっている。[重田博正]

法制度

労働災害の防止に関する基本法としては、労働基準法(昭和22年法律49号)と相まって運用される労働安全衛生法があり、厚生労働大臣の定める労働災害防止計画や事業所における安全衛生管理体制、危険防止措置、安全衛生教育、健康管理、免許などが総括的に規定されている。また同法のもとでの個別規則として、ボイラー及び圧力容器安全規則(昭和47年労働省令33号)、クレーン等安全規則(昭和47年労働省令34号)、ゴンドラ安全規則(昭和47年労働省令35号)、高気圧作業安全衛生規則(昭和47年労働省令40号)、酸素欠乏症等防止規則(昭和47年労働省令42号)などがある。
 また災害防止の実施にかかわるものとして、検査代行機関等に関する規則(昭和47年労働省令44号)、機械等検定規則(昭和47年労働省令45号)、労働安全コンサルタント及び労働衛生コンサルタント規則(昭和48年労働省令3号)、産業安全専門官及び労働衛生専門官規程(昭和47年労働省令46号)、労働災害防止団体法(昭和39年法律118号)などがある。さらに労働省(現厚生労働省)組織規程(1952)では付属機関として産業安全研究所の設置(1942年厚生省産業安全研究所として発足、47年労働省に属し労働省産業安全研究所となり、2001年独立行政法人産業安全研究所となる)も規定されている。そのほか被災労働者および遺族への補償は労働者災害補償保険法(昭和22年法律50号)に基づいて行われ、その行政判断に対する不服申立ての手続は「労働保険審査官及び労働保険審査会法」(昭和31年法律126号)に定められている。[重田博正]
『藤本武著『新版 労働災害』(新日本出版社・新日本新書) ▽狩野広之著『不注意物語』(1959・労働科学研究所) ▽全国労働安全衛生センター連絡会議編著『外国人労働者の労災白書』(1992・海風書房) ▽宗宮英俊・萩尾保繁著『労働基準・労働災害』(1998・新日本法規出版) ▽労働省安全衛生部編『労働災害防止計画のポイント』(1998・中央労働災害防止協会) ▽労働省安全衛生部安全課編『労働災害分類の手引』(1999・中央労働災害防止協会) ▽厚生労働省労働基準局編『労災保険関係法令集』各年版(三信図書) ▽厚生労働省労働基準局編『安全の指標』各年版(中央労働災害防止協会) ▽中央労働災害防止協会編・刊『安全衛生年鑑』各年版(1985~2005) ▽中央労働災害防止協会編・刊『産業安全年鑑』各年版(~1984)』

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世界大百科事典内の労働災害の言及

【労働安全衛生】より

…労働者の就業にかかわる建設物,設備,原材料,ガス,蒸気,粉塵(ふんじん)などにより,または作業行動その他業務に起因して労働者が負傷し疾病にかかり,または死亡することを労働災害というが,それを未然に防止することはもちろん,さらに労働者が快適に作業できるよう作業条件・環境を適正に整備し併せて健康管理を行い労働者の安全と健康の確保を目的とする諸施策や活動をいう。その内容・基準については,労働基準法や労働安全衛生法(後述)を中心とする関係法規が定めているが,各事業場ではそれを遵守することはもちろん,さらに安全衛生水準向上のためきめ細かな対策が必要となる。…

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