コトバンクはYahoo!辞書と技術提携しています。

俘虜記 ふりょき

3件 の用語解説(俘虜記の意味・用語解説を検索)

世界大百科事典 第2版の解説

ふりょき【俘虜記】

大岡昇平長編小説。1948年《文学界》に発表された短編《俘虜記》(合本《俘虜記》収録時に〈捉まるまで〉と改題)をはじめとして,51年まで各誌に分載。52年創元社より合本《俘虜記》として刊行。作者は,45年1月フィリピンミンドロ島アメリカ軍の攻撃を受け,病兵としてひとり山中に取り残され,意識を失って捕虜となり,約1年間収容所生活を送った。この合本《俘虜記》はその体験の記録である。兵士および俘虜としての自己の行動と意識について厳密な考察が加えられると同時に,俘虜たちの生態と人間性とが活写され,収容所の生活が占領下の日本の社会を暗示するように描き出されている。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト
All Rights Reserved. Copyright (C) 2015, Hitachi Solutions Create,Ltd. 収録データは1998年10月に編集製作されたものです。それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。また、本文中の図・表・イラストはご提供しておりません。

デジタル大辞泉の解説

ふりょき【俘虜記】

大岡昇平の小説。太平洋戦争中にミンドロ島で米軍捕虜となった経験をもとに書かれたもの。昭和23年(1948)発表の短編小説にはじまる数点の連作をまとめ、昭和27年(1952)に「合本俘虜記」として刊行。昭和24年(1949)、第1回横光利一賞を受賞。

出典|小学館 この辞書の凡例を見る
監修:松村明
編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
編集協力:曽根脩
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

俘虜記
ふりょき

大岡昇平の小説。作者がミンドロ島の戦場でアメリカ軍の捕虜となった状況を描いた短編『俘虜記』(『文学界』1948年2月号。のち『捉(つか)まるまで』と改題)がまず発表され、続いて捕虜生活中の体験を描いた連作が、『俘虜記』(1948・創元社)、『続俘虜記』(1949・同)、『新しき俘虜と古き俘虜』(1951・同)として刊行され、『合本 俘虜記』(1952・同)にまとめられた。『捉まるまで』のテーマは、眼前に現れた若いアメリカ兵をなぜ撃たなかったか、ということであるが、続く連作では、自由を奪われ生産から切り離された人間の生態を「檻禁(かんきん)状況」の視点からとらえ、ドキュメントをそのまま実験小説に転じた作品である。[亀井秀雄]
『『俘虜記』(講談社文庫・新潮文庫)』

出典|小学館 日本大百科全書(ニッポニカ) この辞書の凡例を見る
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの解説は執筆時点のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

俘虜記の関連キーワード大岡昇平掌編小説戦後派文学中編小説長編小説さむけ事件の核心秋山道子伊藤人誉宮内豊

今日のキーワード

トランスアジア航空

台湾・台北市に本拠を置く航空会社。中国語名は復興航空。1951年、台湾初の民間航空会社として設立。83年に台湾の国産実業グループに経営移管され、組織改編を実施した。92年に国際チャーター便の運航を始め...

続きを読む

コトバンク for iPhone

俘虜記の関連情報