20世紀日本人名事典 「信夫清三郎」の解説
信夫 清三郎
シノブ セイザブロウ
昭和期の日本史学者 名古屋大学名誉教授。
- 生年
- 明治42(1909)年4月8日
- 没年
- 平成4(1992)年10月10日
- 出生地
- 旧朝鮮・仁川
- 出身地
- 東京
- 学歴〔年〕
- 九州帝国大学法文学部政治学科〔昭和9年〕卒
- 学位〔年〕
- 法学博士
- 主な受賞名〔年〕
- 毎日出版文化賞〔昭和28年〕「大正政治史」
- 経歴
- 九大在学中の昭和8年雑誌「歴史科学」に外交史に関する論文を発表、9年には「日清戦争」を出版、発禁処分を受け、翌年合法版に改めた「陸奥外交」を出版。9年卒業して唯物論研究会に入会。「日本外交政策の基調」を中央公論懸賞論文に応募し当選。11年唯物論全書「外交論」を発表、「歴史科学」の編集に参加、弾圧で廃刊、12年創刊の「歴史」編集主任となる。13年11月“唯物論研究会事件”で検挙され、翌年保釈出獄。16年「後藤新平」、17年「近代日本外交史」、「近代日本産業史序説」を出版した。戦後、20年産業労働調査局理事長、21年大阪商大、立教大学の講師を務め、25年名古屋大学法学部教授、30年法学部長、48年定年退官。その間、36年日本学術会議会員、39年日本政治学会理事長も務めた。講座派系マルクス主義史学の立場から外交史、大正デモクラシーを研究、「明治政治史」「大正政治史」(全4巻)「大正デモクラシー史」(全3巻)「戦後日本政治史」(全4巻)「日本政治史」(全4巻)「太平洋戦争」などを発表、43年には発禁となった「ラッフルズ」を復刊した。
出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報