仁川(読み)インチョン

百科事典マイペディアの解説

仁川【じんせん】

韓国,京畿道中西部,江華湾に臨む港湾,工業都市。五大広域市の一つ(直轄市)で,人口はソウル,釜山に次ぐ韓国第3の都市。首都ソウルの外港として,釜山に次ぐ韓国第2の貿易港であり,京仁線(ソウルと結ぶ朝鮮最初の鉄道で,1900年敷設),水仁線の終点で鉄道,道路交通の要衝でもある。港内は潮汐干満差が激しい(大潮で8m)が,港湾施設は完備している。ソウル〜仁川間は京仁工業地帯と呼ばれ,工業団地が整備され板ガラス・製鋼・機械・木工・食品・紡績などの製造業の活動がめざましい。またソウルとの間は地下鉄で結ばれ,ベッドタウンとしても発展。中華街もある。月尾島,松島は海水浴場として著名。もと済物浦(さいもっぽ)と呼ばれ,1875年の江華島事件のあと1876年の日朝修好条規で開港ののち発展した。朝鮮戦争中の1950年9月マッカーサーが行った仁川上陸作戦は有名。2001年春,市西側沖合の永宗島に仁川国際空港が開港,ハブ空港として発展をとげている。266万2509人(2010)。
→関連項目京畿道ソウル

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

世界大百科事典 第2版の解説

じんせん【仁川 Inch‘ŏn】

韓国,京畿道の京畿湾岸の都市。人口236万2132(1995)。韓国の六広域市の一つ。首都ソウルの西方30kmに位置し,仁川港はソウルの外港となっている。済物浦という小さな漁村だったが,日朝修好条規により,1883年に開港してから国際貿易港として発達した。1900年には朝鮮最初の京仁鉄道がソウルとの間に敷設された。日本植民地時代には,中国と朝鮮を結ぶ海上交通の基地となったほか,ソウルの永登浦から京仁線に沿った工業地帯の一翼に組みこまれ,機械,化学,繊維などの諸工業が建設された。

出典 株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について 情報

大辞林 第三版の解説

インチョン【仁川】

韓国の北西部、黄海に面する港湾都市。ソウルの外港。潮汐の干満の差が大きい。製鉄・製粉などの工業が盛ん。じんせん。

じんせん【仁川】

出典 三省堂大辞林 第三版について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

仁川
じんせん / インチョン

韓国(大韓民国)北西部、京畿(けいき/キョンギ)湾に臨む都市。釜山(ふざん/プサン)に次ぐ韓国第二の港湾都市。1981年直轄市に昇格、95年地方自治制度の改革により広域市となる。面積964.53平方キロメートル、人口246万6338(2000)。日朝修好条規(1876)によって1883年開港。第二次世界大戦前には日本の朝鮮半島と大陸侵略の前進基地として機能を果たした。また朝鮮戦争中の1950年9月15日、劣勢を跳ね返すためにアメリカ軍が行った仁川上陸作戦の地としても知られる。現在はソウルの外港、国際貿易港、沿岸島嶼(とうしょ)の海上交通要港、近海漁業の漁港として、また重化学工業都市として発展している。とくに自動車、機械、製鉄、火薬、農薬、ガラス、紡績、製材、精油工業などが発達している。富平(ふへい/プピョン)地区に韓国輸出工業第4団地が1969年に造成された。朱安(しゅあん/チュアン)地区には第5団地と第6団地がある。京仁(けいじん/キョイン)地方の広い後背地と、豊かな労働力、干潟(ひがた)地の埋立てによる安い工場の敷地、原料と製品の輸送に便利な交通施設などが工業の好立地条件になっている。鉄道はソウルとの間に1899年に開通し、その後1965年に複線化、72年に電化された。市内には仁川、東仁川、済物浦(さいもっぽ/チェムルポ)、東岩(とうがん/トンアン)、朱安、富平などの駅がある。ソウルと仁川間の高速道路は1968年に建設された韓国最初の高速道路である。港湾は水深が浅く、潮の干満の差が大きくて船舶の出入りが困難であったので、1918年に第1ドックを設け、74年には5万トン級の船舶を係船できる第2ドックを完工した。市は行政的に東区、南区、北区、中区に区分されている。仁荷(じんか/インハ)大学校、仁川工科大学、教育大学がある。2001年3月に、仁川港外の永宗島(えいしゅうとう/ヨンジョンドウ)に仁川国際空港が開港した。東アジアの国際ハブ空港を目ざし、24時間の運航が可能。年間1億人の旅客と7000万トンの貨物の輸送が見込まれる。2001年現在、4000メートル級滑走路2本、最終的には4本を計画。 基 柱]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典内の仁川の言及

【居留地】より

…日本,中国における欧米諸国の居留地,租界に範を求められた釜山居留地では,日本が領事裁判権のみならず行政権も掌握した。日本は釜山のほかに順次元山,仁川,馬山に,また清国は84年より仁川,さらに釜山,元山にそれぞれ一国単独の専管居留地を設けていったが,欧米諸国は仁川をはじめとして共同の各国居留地(雑居居留地)で満足した。以後の開港場では,日本を含め各国居留地が通例となった。…

※「仁川」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について | 情報

今日のキーワード

ブラックフライデー

米国などで、感謝祭(11月第4木曜日)の翌日の金曜日のこと。休日とする職場が多く、商店にとってはクリスマス商戦の初日に当たる。「ブラック」は、買い物客による混雑、または黒字を連想させることから。→サイ...

続きを読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android

仁川の関連情報