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個人住民税の負担 こじんじゅうみんぜいのふたん

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知恵蔵2015の解説

個人住民税の負担

個人住民税は、給与所得者の場合、6月から翌年5月までの12カ月、毎月の給与から差し引かれる(特別徴収)。給与所得者以外の個人事業者、年金者などは6月、8月、10月、1月の4期に分割して納める(普通徴収)。普通徴収の場合、6月に納税通知書が送付される。2006年6月は、前年に比べ住民税が10倍前後の増税となった。そのため市町村の税務課には「計算が違ってないか」との問い合わせが殺到。また、新聞の読者欄には高齢者の怒りの声が多く寄せられた。 この住民税増税は、06年6月からの公的年金等控除の縮小、老年者控除の廃止、高齢者の非課税限度額の廃止(06年3分の1増税、07年3分の2増税、08年全額増税)、定率減税(06年は半減、07年は全廃)、住民税率一律10%化(07年6月から)が原因である。 本来、税金は負担能力に応じて支払うものとするのが、日本国憲法の要請である(13・14・25・29条などを根拠とする応能負担原則)。憲法の考えからすると、国税、地方税、目的税である社会保険料などは全て応能原則にかなったものにすべきであり、住民税増税はそれに反した動きといえよう。 憲法はさらに平和と福祉を重視している(前文・25条)。国民が「納税の義務を負う」(憲法30条)のは、負担した税金が平和・福祉のために使われることを前提としたもの。これを実現するのは議会の役割であり、人々の選挙権の適切な行使が住民本位の税制を作る手がかりとなる。

(浦野広明 立正大学教授・税理士 / 2008年)

出典|(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵2015」
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